2013 Fiscal Year Research-status Report
増殖制限型アデノウイルスを用いた遺伝子導入による頭頸部癌治療法の開発
Project/Area Number |
25670717
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丹生 健一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20251283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 直樹 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40343264)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | siRNA / 増殖制限型アデノウイルス / VEGF / 扁平上皮癌 / midkine |
Research Abstract |
1)非増殖型アデノウイルスベクターに、頭頸部癌などの悪性腫瘍に特異的に発現しているMidkineをプロモーターとしてウイルスの自己増殖に必要なE1a遺伝子を組み込み、Midkineを発現している腫瘍細胞の中でのみ増殖可能な増殖制限型アデノウイルスベクター Ad-Midkineを作成した。 2)Ad-Midkineはそれ自体、腫瘍細胞内で特異的に増殖して腫瘍細胞を破壊し腫瘍溶解性ウイルスとして抗腫瘍効果を発揮するが、このウイルスベクターのE1a遺伝子の下流にU6をプロモーターとして腫瘍の増殖に関わる遺伝子EGFR, VEGFに対するsiRNAを組み込むことにより、更に強力な抗腫瘍効果を持つ腫瘍特異的増殖型アデノウイルスベクターAd-Midkine-iVEGFを作成した。 4)作成されたAd-Midkine-iVEGFの抗腫瘍効果を培養細胞で確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MidkineをプロモーターとしてVEGFに対するsiRNAを組み込んだ増殖制限型のアデノウイルスベクターの作成に成功し、非増殖型のアデノウイルスベクターとの比較して、有意な腫瘍増殖抑制効果がみられ、ほぼ計画どおりに研究は進行していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
idkineをプロモーターとした増殖制限型アデノウイルスベクターAd-Midlineをコントロール群とし、それにVEGFにMidkineをプロモーターとした増殖制限型アデノウイルスベクターAd-Midlineをコントロール群とし、それにVEGFに対するsiRNAを組み込んだAd-Midkine-iVEGFの抗腫瘍効果をin vitroならびにin vivoで検討する。 1)in vitroでの抗腫瘍効果の検討 Midkineを高発現している培養細胞と発現が低い培養細胞とで抗腫瘍効果の違いを検討する 2)in vivoでの抗腫瘍効果の検討 1.ヌードマウスに頭頸部扁平上皮癌細胞を皮下移植したものをモデルとする。2.各制限増殖型アデノウイルスベクター、非増殖型アデノウイルスベクターを単独または同時に腫瘍内に局注する。3.腫瘍の縮小効果を一定期間観察後、マウスを安楽死させ、抗腫瘍効果を組織学的に検討する。
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