2014 Fiscal Year Annual Research Report
異種画像融合を用いた強膜形状の可視化と視覚障害の発生機序の解明
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25670727
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
大野 京子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30262174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 育男 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60100129)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 強膜 / 眼球形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、強度近視患者および正視眼の3D MRI画像のT1強調画像からT2強調画像をsubtractionし、強膜の信号からなる眼球の画像構築に成功した。その結果、眼球全体の強膜構造は、T2強調画像のみから作成された3次元眼球画像と同様に、鼻側変位型、耳側変位型、紡錘型、樽型の4つに大きく分類できることがわかった。つぎに、高進達のswept-source OCT(光干渉断層計)を用いて強度近視患者の強膜構造を描出した。約8割の強度近視患者において強膜の全層の観察が可能であり、その結果、強膜カーブは視神経傾斜型、対称型、非対称型、不規則型の4種類に判別することができた。そののちに、各症例において、強膜のswept-source OCT画像と3D MRIによる眼球画像を融合し、比較検討した。その結果、OCTにおける視神経傾斜型、鼻側変位型は、3D MRIにおける鼻側変位型や紡錘型に対応した。一方、OCTにおける不規則型はMRIの耳側変位型に対応し、平均の強膜厚も約200 m以下と、もっとも薄く、また近視性眼底病変もほかのタイプに比較し最も高頻度に有していた。また、不規則型の場合、黄斑部の中心から下方および耳側の部位が最も後方に突出していることが分かった。以上から、3D MRIとswept-source OCTの融合画像による解析により、強度近視患者において一定以上強膜が菲薄化すると、正常の円弧を描くことができなくなり、強膜のカーブが不規則となり、その結果、黄斑部の下方もしくは耳側の部位がもっとも後方に突出し、眼球全体の形状においては耳側変位型に至ることが分かった。本眼球形状は強度近視眼の終末形状とも考えられ、眼底病変の合併頻度も高く、より失明につながりやすい形状であることが本研究において明らかになったものである。
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Research Products
(41 results)