2014 Fiscal Year Research-status Report
加齢黄斑変性の戦略的な疾患特異遺伝子探索と治療応用
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25670733
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
馬場 高志 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (40304216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 幸次 鳥取大学, 医学部, 教授 (10213183)
宮崎 大 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (30346358)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / 疾患モデルマウス / 血管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.黒色の因子X受容体欠損マウスの作成:海外の共同研究施設から入手した因子Xの受容体欠損マウスが白色で遺伝的背景がBalb/cであったため,再現性のあるレーザー誘発脈絡膜新生血管マウスモデルを確立するため,鳥取大学生命機能研究支援センター動物資源開発分野の支援のもと,C57BL/6を遺伝的背景に持つ黒色の因子Xの受容体欠損マウスを体外受精によって作成することに成功し,戻し交配でN3まで継代し増産した。戻し交配の過程で生産された野生型をコントロールとして,因子X受容体欠損遺伝子型がホモとヘテロのマウスについて,遺伝子型と疾患感受性について解析することが可能になった。 2.因子XとY受容体の発現解析:因子XまたはY受容体欠損遺伝子型がホモまたはヘテロのマウスと野生型の3群について因子XとY受容体の発現を確認した。血管内皮細胞に選択的に結合するレクチンまたは抗CD31抗体,免疫細胞特異的抗体との二重染色により,脈絡膜伸展標本と組織切片での因子XとY受容体の脈絡膜新生血管構造内での発現分布を比較し,正常網膜血管や正常脈絡膜血管とレーザー誘発脈絡膜新生血管での発現の比較,網膜,網膜色素上皮,リンパ球での発現を解析した。 3.因子Xの作用解析 in vivo:因子XまたはY受容体欠損遺伝子型がホモまたはヘテロのマウスと野生型の3群について,レーザー誘発脈絡膜新生血管のサイズを比較し,遺伝子型と疾患感受性について検討した。 4.加齢黄斑変性患者と健常者より得られた検体のSNP解析:同意が得られた加齢黄斑変性患者と健常者より提供された血液検体から得られたゲノム情報をもとに,既知の加齢黄斑変性関連遺伝子とともに因子XのSNP解析を進めている。また,同時に採取した前房水の因子Xとその関連分子の発現を解析し,ゲノム情報との関連を引き続き確認中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.因子Xの発現解析は概ね順調である。 2.因子Xの作用解析 in vivo 遺伝子欠損マウスの毛色の調整と遺伝的背景を一致させるため鳥取大学生命機能研究支援センター動物資源開発分野の支援のもと,C57BL/6を遺伝的背景に持つ黒色の因子Xの受容体欠損マウスを体外受精によって作成することに成功し,戻し交配でN3まで継代し増産を試みた。しかし,標的である因子Xが生命活動に重要な遺伝子であったため,ホモ型の遺伝子欠損だけでなく,ヘテロ型についても,体外受精を用いても,コロニーを増産し,戻し交配を進めることが困難であった。現在使用可能なコロニーを用いて,予定していた実験系を実現できるように計画している。データが不十分な場合,結論を補完する方法として,新たに,ex vivoであるが,レーザー照射を必要としないChoroid sprouting assayでの脈絡膜新生血管の感受性評価を検討している。 3.因子Xの作用解析 in vitro:概ね順調である。 4.加齢黄斑変性患者と健常者より得られた検体のSNP解析:現在,加齢黄斑変性患者と健常者から得られた検体は合計90例を越え,順調であるが,当施設のデータだけで,因子Xの疾患感受性への関与について証明することは困難である。当施設で得られたデータについては,既知の遺伝子のSNP解析の報告との整合性を確認した上で,ゲノムデータを大量に保有する他施設と共同で更に解析を進めるため,ヒトゲノムデータ利用のための臨床研究の手続きを行った上で,因子Xの疾患感受性への関与について確認する。
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Strategy for Future Research Activity |
1.因子Xの作用の解析 in vivo:C57BL/6との戻し交配によって,C57BL/6を遺伝的背景に持つ黒色の因子Xの受容体のホモ型ならびにヘテロ型欠損マウスと,その過程で産出された野生型マウスを用いたレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを用いて,脈絡膜新生血管への感受性を確認する。脈絡膜新生血管における因子Xの標的が眼局所由来の細胞なのか,骨髄由来の細胞なのかを明らかにするため,マウス骨髄由来血管内皮細胞にGFPプロモーターと因子X,因子X受容体,因子Y受容体遺伝子を組み込んだプラスミドを導入し,これらの遺伝子発現を確認した上で血管内皮細胞を尾静脈注射し,脈絡膜新生血管での局在を確認する。因子Xの欠損マウス,因子X受容体の欠損マウス,因子Y受容体の欠損マウスと野生型マウスの脈絡膜血管新生感受性の違いを明らかにして,因子Xと因子Xの受容体下流のシグナル伝達のうち,どの分子が脈絡膜血管新生に重要な役割を果たしているのか解析する。因子Y受容体が脈絡膜血管新生の制御にどのように関与しているかは,まだ不明であるが,因子Xと因子X受容体を介する系を制御する他の因子についても更に解析する。 ex vivo:C57BL/6を遺伝的背景に持つ黒色の遺伝子欠損マウスを用いたデータの補完を行うため,レーザー照射を必要としないChoroid sprouting assayを用いて,遺伝子欠損マウスの脈絡膜血管新生の定量を行う。因子X受容体,因子Y受容体を培地に追加することで,それぞれの因子の脈絡膜血管新生への関与を確認する。 2.加齢黄斑変性患者と健常者より得られた検体のSNP解析:検体の総数が100例に達した時点で,因子XのSNP解析から,因子Xの関与する程度を判定し,更に追試のため検体数を追加するか判断する。加齢黄斑変性患者の検体を多く持つ他施設と共同し,当施設の結果の検証を行う。
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Causes of Carryover |
モデルマウスの毛色の調整と遺伝的背景を一致させるために,遺伝子欠損マウスをC57BL/6と体外受精を用いて戻し交配を行ったが,コロニーの増産が困難で,マウスを用いた実験が進まなかった。そのため,マウスの購入額と飼育料,試薬の代金が予想より下回った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
C57BL/6との戻し交配によって,C57BL/6を遺伝的背景に持つ黒色の因子Xの受容体のホモ型ならびにヘテロ型欠損マウスと,その過程で産出された野生型マウスを使用可能な数で実験を計画し,その実験費用にあてる予定である。また,実験計画では最終年度にあたるため,現時点で得られた知見を発表するための費用にあてる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Clinical features and management of cytomegalovirus corneal endotheliitis: analysis of 106 cases from the Japan corneal endotheliitis study2015
Author(s)
Koizumi N, Inatomi T, Suzuki T, Shiraishi A, Ohashi Y, Kandori M, Miyazaki D, Inoue Y, Soma T, Nishida K, Takase H, Sugita S, Mochizuki M, Kinoshita S; Japan Corneal Endotheliitis Study Group
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Journal Title
Br J Ophthalmol
Volume: 99
Pages: 54-58
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Therapeutic effects of 0.1% tacrolimus eye drops for refractory allergic ocular diseases with proliferative lesion or corneal involvement2014
Author(s)
Fukushima A, Ohashi Y, Ebihara N, Uchio E, Okamoto S, Kumagai N, Shoji J, Takamura E, Nakagawa Y, Namba K, Fujishima H, Miyazaki D
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Journal Title
Br J Ophthalmol
Volume: 98
Pages: 1023-1027
DOI
Peer Reviewed
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