2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
関堂 充 筑波大学, 医学医療系, 教授 (40372255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 薫 筑波大学, 医学医療系, 講師 (10536220)
足立 孝二 筑波大学, 医学医療系, 講師 (70572569)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腱断裂 / 間質血管細胞群移植 / 脂肪由来幹細胞 / マウス腱断裂モデル |
Research Abstract |
腱損傷に対する術後後療法は現在、固定法、早期運動療法などが行われているが、症例によっては損傷腱が十分な強度を回復するまでに時間がかかるため機能的予後が悪いケースも多い。本研究は腱損傷の再生迅速化を図るため、脂肪組織から得られる間質血管細胞群(stromal vascular fraction, 以下SVF)を利用した移植療法の可能性を追求することを目的とする。SVFには組織再生修復過程で中心的役割を果たすと考えられている間葉系幹細胞(MSC)の一種である脂肪由来幹細胞(adipose-derived stem cell, 以下ASC)が含まれており、骨、軟骨、筋肉、腱、脂肪、神経、血管内皮等への分化能を持つことが報告されている。ASC-richなSVFを移植することで損傷腱の修復を迅速化できる可能性がある。そこで、代表者らは本年度、マウス由来SVF(mSVF)の調整法と、腱断裂モデルの確立を行った。まず、SVFの回収であるが、Wild typeマウスより皮下脂肪組織を採取、細分化しコラゲナーゼ処理後、遠心分離して成熟脂肪細胞とSVFを分離したのち、SVFを回収・培養し、サブコンフルエントになった時点で継代を行った。3から4継代したものを移植に用いることとした。続いて、腱断裂モデルをマウスにおいて作製した。具体的には、イソフルラン吸入による全身麻酔下に、マウスの両側アキレス腱踵骨付着部から1-2mm近位にアキレス腱完全断裂を作製、nylon糸にてKessler変法で腱縫合を行い、術後足関節固定を行った。また、調整したmSVFの腱断裂モデルへの移植を行ったところ、治癒期間の短縮と合併症が低減する予備的結果を得た。SVF移植は、腱再生においても有用であることがマウスモデルにおいて示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、SVF採取・調整法、動物モデルの確立を行った。移植実験も開始し、仮説に矛盾しない結果が一部得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
腱断裂後の評価をするため確立したマウスモデルにおけるmSVFの移植実験を引き続き継続する。また、再生した腱組織の組織学的検討、力学的検討を進める。また、同様の評価を可能であればヒト由来SVF(hSVF)でも行う。さらに、移植するSVFを我々が普段tenocyteの培養に用いている培地で分化させながら培養したものも移植し、組織学的効果や力学的効果の検討を行う。
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