2013 Fiscal Year Research-status Report
侵襲に伴う過剰な血管透過性亢進を制御する新規治療法の開発
Project/Area Number |
25670758
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中田 孝明 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (20375794)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋田 知明 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60507375)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 血管透過性亢進 / 侵襲 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
敗血症,外傷,熱傷,手術などの侵襲は血管透過性を亢進する.過剰な血管透過性亢進は輸液量増加,間質浮腫の増大を招く.血管透過性亢進は古くから認識されている病態であるが過剰な透過性亢進を制御する治療法は確立しておらず,治療対象の基準も明らかではない.近年robo4遺伝子が過剰な透過性亢進を抑制することが発見され,過剰な血管透過性亢進制御は近未来の治療法として国内外で注目されている.侵襲による過剰な血管透過性亢進の抑制は輸液量増加を防ぎ,生命予後を改善し得るとの仮説をたて,血管透過性亢進制御という新しい治療法の開発に挑戦する本萌芽研究を計画した.重症患者の生命予後に遺伝的要素が影響を与えていることをふまえ,過剰な血管透過性亢進を起こし得る新規の遺伝子多型を発見することを一つ目の目的としている.過剰な血管透過性亢進を呈する重症敗血症患者のデータ収集・遺伝子解析を行い,血管透過性亢進(初期48時間の輸液負荷量)と生命予後(28日死亡)に影響を与える複数の血管透過性関連遺伝子の遺伝子多型との関連解析を行った.その結果,angiopoietin-1(ANGPT1)の遺伝子多型が関連する可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに第一段階目の遺伝子多型解析が終了し,おおむね順調に研究が進行しており,今後も計画した研究への進展が見込める.
|
Strategy for Future Research Activity |
計画通り,血管透過性に重要な役割を果たすことが示唆された遺伝子に関して,血管透過性における役割を細胞実験・動物実験を用いて明らかとする.細胞実験は初代正常細胞のHuman Umbilical Vein Endothelial Cells (HUVECs)を用いる.標的遺伝子をsiRNAによる遺伝子抑制,プラスミドによる過剰発現を行い,24 well plateにフィットし半透膜の底面にmatrigels コートしたtranswell filter上で単層培養する.FITC標識デキストランをチャンバー内に添加しチャンバー外への透過量を測定しin vitro vascular permeability算出し,標的遺伝子の活性化または抑制化が血管透過性亢進に果たす役割を検証する.動物実験としては,入手可能な標的遺伝子knockout(KO)マウス,トランスジェニックマウス,入手困難時はC57BL/6マウスを用いる.Cecal ligation and puncture(CLP)による敗血症血管透過性亢進モデルを作成し血管透過性亢進の程度をEvans blue静脈投与後の肺,脾臓,腎臓組織ホモジネート上清の分光光度測定(620nm, 740nm)により定量化する.また作成した実験モデルは血管透過性亢進の程度と生存の関連を検証し,関連が示唆される場合には生存率も評価項目とした実験を行うことを計画している.
|