2013 Fiscal Year Research-status Report
急性肺傷害におけるMUSE細胞(ストレス耐性多能性幹細胞)投与による治療法の開発
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25670759
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
内田 篤治郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (40262183)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 急性肺傷害 / 前駆細胞 / MUSE細胞 |
Research Abstract |
ヒト皮膚線維芽細胞として、Lonza社の細胞培養株を用い、16時間トリプシン-EDTA中で維持したのち、10%FBS添加αMEM培地を加えた細胞懸濁液の形で回収し、300g・5分間の遠心で培地およびトリプシンを除去したのち、PBSを加えて再び遠心し、細胞を回収した。この細胞を10%FBS添加αMEM培地を加えて25cm2フラスコで培養し、接着した細胞を増殖させ、トリプシン処理で回収し、抗SSEA-3抗体で標識し、SSEA-3陽性細胞をFACS AriaIIを用いてソーティングし、得られた細胞を10%FBS添加αMEM培地で培養し、これをMUSE細胞として取り扱った。Methocult H4100含有培地を用いた浮遊培養で桑実胚様のコロニー形成をすることが確認された。 さらに、Adipogenesis誘導培地を用いた培養では、Oil Red O染色陽性の所見を得、軟骨分化誘導培地を用いた培養でも弱陽性所見を得ることができた。 さらに、この細胞について、エンドトキシン肺傷害モデルに投与した場合の治療効果について、検討した。イソフルラン麻酔下に、LPSを5mg/kg経気道的に投与し、18時間後にfMLPとNeutrophil Elastase 680 FASTというin vivoイメージ用の蛍光色素を経気道投与し、その6時間後に好中球エラスターゼの肺内での活性を,IVIS撮影装置で定量評価した。細胞を投与したマウスでは、非投与マウスと比較して、好中球エラスターゼ活性が抑制される可能性が示唆され、現在、実験を重ねている状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、Muse細胞の遊離と形質の分析を行い、MUSE細胞の採取という実験のステップはクリアされたと考える。今後、この方法論を用いて得られた細胞を使って、下記のような分析を追加していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、炎症環境においてMUSE細胞が放出する液性因子(抗炎症性液性因子や抗プロテアーゼ物質)に関する検討を行う。 6ウェルサイズまたは12ウェルサイズの培養プレートを用いて、ヒトおよびラット由来のMUSE細胞の培養を行い、炎症性サイトカイン・カクテルであるCytomixによる刺激を行った状態で6時間・24時間培養を維持し、MUSE細胞および培地をサンプルとして採取する。採取した培地におけるIL-10、lipocalin-2、アンチトリプシン、TIMP-1濃度について、ELISAによる測定を行う。リアルタイムPCR法およびimmunoblotによりアンチトリプシンー1、TIMP1-3、IL-10、lipocalin-2の発現量を測定し、Cytomix・LPSによる刺激の有無による発現量の変化を調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
残額が少額のため、次年度研究予算と合わせて試薬の購入に使用することとした。 平成26年度研究費と合わせて、抗体などの試薬の購入に使用るする予定である。
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Research Products
(2 results)