2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄再生過程における抗菌性薬剤の新たなる役割:樹状細胞と歯髄幹細胞との関連
Project/Area Number |
25670777
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 拓一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (10303132)
松山 順子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30293236)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 抗菌性薬剤 / 歯髄 / 露髄 / プラーク / アポトーシス / 細胞増殖 / 象牙芽細胞様細胞 / 水酸化カルシウム製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス口腔内プラーク常在菌叢と露髄感染巣の菌叢の網羅的解析と抗菌性薬剤の効果 深麻酔下で6週齢マウス上顎第1臼歯近心面に窩洞を形成し、露髄させ24時間口腔内環境に露出させ、歯髄感染モデルを作製した。引き続き窩洞内のプラークを採取し、露髄感染巣の菌叢の網羅的解析を行った。次に窩洞をMP(ソルベース「マクロゴール軟膏」+プロピレングリコール)とグラスアイオノマーセメント(GC)で仮封した群(対照群)と3Mix-MP(Metronidazole:Ciprofloxacine:Minocycline=3:1:1 in MP[等量])とGCで仮封した群(3Mix群)、水酸化カルシウム製剤とGCで仮封した群(CH群)を作製し、術後1~3週間後にマウスを麻酔下で固定し、パラフィン切片を作製し、ネスチンおよびKi67免疫組織化学、TUNEL評価を行った。 術後1週では、3Mix群及びCH群で生存および(または)新たに分化した象牙芽細胞が歯髄に観察されたのに対し、対照群の歯髄は変性を開始した。術後2週では、3Mix群で歯冠部歯髄に硬組織形成が観察されたが、CH群では治癒過程が進行中であった。一方、対照群では、歯冠部歯髄が完全に失活していた。術後3週では、3Mix群の露髄近くで象牙質形成が観察されたが、CH群では歯冠部歯髄に象牙質と骨が混在していた。3Mix群では、象牙芽細胞様細胞分化が促進されていた。また、3Mixでは、硬組織形成量が有意に高かった。さらに、3Mix群で、細胞増殖活性が高く、アポトーシス細胞の数が有意に少なかった。 以上より、3Mix-MPの覆髄剤としての使用は、水酸化カルシウム製剤と比較して、感染歯髄の治癒に促進的に働くことが明らかとなった。露髄感染巣の菌層の網羅的解析については、細菌採取方法に検討を加えているところである。
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Research Products
(11 results)