2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670781
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
田中 求 埼玉医科大学, 医学部, 客員講師 (70197482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 圭介 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (10435860)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 口腔内細菌 / 多発性硬化症 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔内の二大感染症がう蝕と歯周病であり、それぞれの主な原因菌としてStreptococcus mutans(S. mutans)とPorphyromonas gingivalis(P. gingivalis)が有名である。近年口腔内細菌が全身性疾患に関わることが知られている。本研究はS. mutansとP. gingivalisが口腔内を超えて脳神経疾患に与える影響を明らかとすることを目的とした。 多発性硬化症は神経軸索を取り巻くミエリンが破壊される脱髄を特徴とした慢性性炎症性脱髄疾患であり、運動麻痺、視力障害、感覚障害などの神経症状が再発と寛解を繰り返す指定難病である。近年我が国において急激な増加傾向を示している。 本研究は多発性硬化症の実験動物モデルであるクプリゾン誘導脱髄モデルを用いた。クプリゾン誘導脱髄モデルマウスにS. mutansの菌体、P. gingivalis由来の内毒素であるp.g.-LPSをそれぞれ投与した。マウスを潅流固定後、病理切片を作製、脳梁部位をミエリン特異的染色であるBlack Gold染色を行いミエリン量を評価した。p.g.-LPS投与されたマウスはミエリンレベルのさらなる減少がみられ、クプリゾン誘導脱髄を増悪化させることが示された。さらにミエリン回復期の検討においてもp.g.-LPS投与されたマウスはミエリンの回復レベルが少なく、再ミエリン化が阻害されていた。本研究により口腔内細菌、特に歯周病菌が多発性硬化症病態を増悪化させる可能性があることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)