2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔領域硬組織疾患克服に向けた小胞体品質モニタリングプローブの新規開発
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25670790
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
西頭 英起 宮崎大学, 医学部, 教授 (00332627)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ストレス応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
硬組織形成に関わる様々なシグナル伝達経路が明らかにされてきたが、細胞内オルガネラが発信するシグナルに着目した研究は数少ない。骨形成過程では、I型コラーゲン、オステオポンチン、オステオカルシン、骨形成因子(BMP)などの骨基質タンパク質やシグナルリガンドが大量に産生されており、その産生異常は硬組織形成異常を引き起こす。このような分泌タンパク質の全ては、小胞体内腔へ翻訳・輸送され、糖鎖付加・ジスルフィド結合などの修飾を受け高次構造を獲得し、ゴルジ装置を経由して細胞外に分泌される。多くの分泌タンパク質を産生する細胞では、小胞体の品質管理機構が充分に機能していなければならない。例えば膵臓のβ細胞では大量のインスリンを、形質細胞では大量の抗体を産生しており、それらの細胞内の小胞体機能異常はそれぞれ糖尿病、抗体産生異常を引き起こす。硬組織においても同様で、骨芽細胞・軟骨細胞での小胞体機能異常は、それぞれ骨・軟骨組織の形成異常を引き起こすことが知られている。一方、口腔がんは顎骨浸潤を伴うことが多く、重大な口腔機能障害をもたらす。その骨浸潤・骨吸収の過程では破骨細胞の機能が過剰亢進しており、その際にもやはり様々な分泌タンパク質が産生され、そのため小胞体機能が更新していることが予想された。従って、硬組織形成を担当する細胞群における小胞体品質管理機構を理解し、その制御方法を探索することは、様々な疾患の克服に繋がる。これまで進めてきた小胞体品質管理機構に関する研究基盤をもとに、これまでにない新たな小胞体機能のバイオマーカーの作出を試み、in vivoで小胞体の機能をモニターできるマウスを作出し、硬組織細胞における小胞体の状態を経時的に観察した。これにより、これまでほとんど研究がなされていなかった歯と骨における小胞体の機能と役割を明らかにするための研究基盤の開発を試みた。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] The expression of Fn14 via mechanical stress–activated JNK contributes to apoptosis induction in osteoblasts.2014
Author(s)
Matsui M., Fukuno N., Kanda Y., Kantoh Y., Chida T., Nagaura Y., Suzuki O., Nishitoh H., Takeda K., Ichijo H., Sawada Y., Sasaki K., Kobayashi T., Tamura S.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 289
Pages: 6438-6450
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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