2014 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射後の口腔癌における再発起源癌幹細胞の同定とその特性解析
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25670796
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三浦 雅彦 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10272600)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛍光イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
レンチウイルスを用いて、Fucciの2つのプローブを同時に発現する舌癌細胞株SAS-Fucci細胞を得ることができた。さらにSAS細胞に癌幹細胞のマーカーとなるプロテアソームセンサーを導入した細胞株も得られた。SAS-Fucci細胞で直径約500μmのスフェロイドを作製し、共焦点蛍光顕微鏡にて表層から深さ100μm付近の内部を観察すると、約数十μm程の緑色の外層と内部が赤色を示す2層構造が観察された。これは、既に我々が観察したHeLa-Fucci細胞から作製したものとは異なるものであった。また、プロテアソームセンサーを発現するSAS細胞は、内部のみ蛍光を発していた。このスフェロイドに10Gy照射したところ、外層にある緑色の細胞がさらにその割合を増し、蛍光強度の増大が認められた。これは、G2アレストを反映した結果であると考えられた。内部の赤色には大きな変化は見られなかった。その後、再度赤色蛍光が出現し、このことはG2アレストからのリリースを示している。それらの細胞がM期を経て分裂死に至り、スフェロイドから剥がれ、次第にスフェロイド径が縮小した。その後、しばらく赤色のみの状態が続いたが、再度外層に緑色細胞が出現した。増殖している単層培養細胞に10Gy 照射すると、ほとんどの細胞が死滅することを考えると、内部に存在する癌幹細胞は放射線抵抗性で、10Gy 照射後もG0状態を維持していたと考えられる。放射線感受性である外層の非癌幹細胞が剥がれ落ちることによって、酸素分圧が上昇し、外層部分が前駆細胞に分化して、増殖を再開したと考えられた。すなわち、舌癌細胞株であるSAS細胞では、きわめて放射線抵抗性の癌幹細胞がスフェロイド内部に存在していることが強く示唆され、照射後の細胞動態の変化を初めて可視化することに成功した。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Development of a new benzophenone-diketopiperazine-type potent antimicrotubule agent possenssing 2-pyridine structure2014
Author(s)
Hayashi Y, Takeno H, Chinen T, Muguruma K, Okuyama H, Taguchi A, Takayama K, Yakushiji F, Mira M, Usui T, Hayashi Y
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Journal Title
ACS Med Chem Lett
Volume: 5
Pages: 1094-1098
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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