2013 Fiscal Year Research-status Report
エントーシスを応用した癌幹細胞へのオートファジー細胞死の誘導
Project/Area Number |
25670802
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大野 純 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10152208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 稔 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10122780)
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (80084250)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / オートファジー / 口腔扁平上皮癌 / ALDH1 / 局所再発 / cancer sphere / 治療抵抗性 / FACS |
Research Abstract |
H25年度は、1)口腔扁平上皮癌(OSCC)における癌幹細胞の同定および機能解析と2)口腔扁平上皮癌細胞に対するオートファジーの影響、の2つを中心に検索を行った。1)については、近年癌幹細胞のマーカーとして注目されているALDH1を用いた。まず、臨床手術材料(パラファイン切片)でのALDH1抗体の免疫染色による臨床病理学的検索を行った。OSCCに対するALDH1染色性は、ALDH1 highとALDH1 lowに分けられた。それらの染色性と臨床態度を検討したところ、ALDH1 highが局所再発に相関することが明らかとなった。この臨床病理学的結果は、ALDH1陽性OSCCが治療抵抗性に関与する可能性を示唆していると考えた。そこで、OSCC細胞を用いたin vitro実験を企図した。ALDH1の検出については、ALDEFLUOR assayによるFACSを主体として行った。その結果、シスプラチン抵抗性OSCC細胞はALDH1陽性率が向上することがわかった。さらに、これらの細胞は浸潤能(マトリジェルを用いたTranswell migration assay)が高く、cancer sphere formationが認められた。すなわち、抗癌剤抵抗性OSCC細胞は、癌幹細胞としての性状を保持している癌細胞であることが示唆された。これらの結果をまとめた論文が、Int J Oncolに掲載された。2)については、OSCC細胞・癌幹細胞の自己複製能(cancer sphere assayによる)は、オートファジー機構による制御される可能性、およびConAにより誘導されるオートファジーにより、OSCC細胞を細胞死に導く可能性を検討中である。これらの結果をまとめて、日本病理学会、日本臨床口腔病理学会および日本口腔外科学会に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オートファジーによる癌幹細胞の制御に関しては、予定通りに進んでいる。エントーシスについては現象およびオートファジーとの関連性について、データが出始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
エントーシス現象の解析を中心に実験を進めて行く。また、オートファジー・ダウン法に関して、検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
口腔扁平上皮癌細胞でのオートファジー抑制による自己複製能に関する検討で、コントロール群と抑制群での遺伝子発現の違いを検討するを次年度に行う予定である。検索に関しては、外注によりデータを入手するため、その検索料として次年度に回した。 マイクロアレイ法による口腔扁平上皮癌細胞のオートファジー制御による遺伝子発現の検討を行う予定である。
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Research Products
(8 results)