2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄幹細胞からの活性化マクロファージ分化誘導と歯髄組織再生への応用
Project/Area Number |
25670808
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
興地 隆史 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80204098)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30220718)
金子 友厚 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (70345297)
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10323974)
重谷 佳見 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80397132)
大倉 直人 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00547573)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 歯内治療学 / 歯髄組織再生 / 歯髄幹細胞 / マクロファージ / スキャホールド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、歯髄幹細胞より活性化マクロファージのへの分化・培養増殖法を行うためのシステムを開発することを最終目的として実施した。 雌性Wistarラット切歯歯髄より歯髄組織を摘出後、磁気分離法を用いてCD146/MAP1-B幹細胞を単離した。歯冠部と根尖部を切断後、歯髄組織を除去した管状の切歯に、切歯より単離増殖させたCD146/MAP1-B幹細胞(または市販の骨髄間葉系幹細胞)を流動性ハイドロゲルとともに注入し、1週間の組織培養を行い、切歯の歯髄腔再生歯髄組織を、免疫組織学的に観察し、再生歯髄組織内にED2陽性マクロファージ様細胞の存在を確認した。さらに再生歯髄組織中より、ED2陽性マクロファージ様細胞を磁気分離法にて単離した。この実験系からは、切歯1歯あたり約2×102のED2陽性細胞が単離可能であった。 マクロファージと幹細胞を混合移植して再生した歯髄組織と、幹細胞のみを移植して再生した歯髄組織の免疫細胞の分布を比較するために、単離したマクロファージと市販の骨髄間葉系幹細胞を混合し、流動的スキャホールドとPLLAスキャホールドとともに、実験的に冠部歯髄を除去したラット臼歯に移植したところ、両実験群において歯髄様組織の再生が確認された。さらにこの再生歯髄様組織では、ED2陽性細胞の分布が確認されるとともに、M2マクロファージマーカー遺伝子発現の亢進を観察した。以上のことから、再生歯髄組織において、幹細胞とマクロファージを混合して移植すると、M2マクロファージが再生部位において増殖し、再生組織において組織修復マクロファージとして機能している可能性が示唆された。
|