2013 Fiscal Year Research-status Report
難治性根尖性歯周炎に対する遺伝子診断への新たなる展開
Project/Area Number |
25670809
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 祥作 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90360495)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難治根尖性歯周炎 / SNPs |
Research Abstract |
日常臨床において、根管治療によっても治癒しない難治性根尖性歯周炎にしばしば遭遇する。その難治性根尖性歯周炎の原因を探るべく研究がすすめられた結果, 根尖孔外に形成されるバイオフィルムが主たる原因であることが明らかとなってきた。その根尖孔外バイオフィルムの形成に関与するバクテリアを同定することで診断法へと繋げようとする試みは, 多くの研究者によって現在研究されている。一方, 根尖部歯周組織に生じる炎症や, 炎症に伴い生じる歯槽骨の吸収は, バクテリアの侵入に対する宿主側の免疫応答によって生じることがわかっている。このことから難治性根尖性歯周炎の原因を理解するためには, バクテリア側の要因のみならず, 宿主側の要因についても目を向ける必要性がある。そこで本研究は, 難治性根尖性歯周炎罹患歯を有する患者からゲノムDNAを調整し, 炎症性サイトカインや破骨細胞の分化に関連すると報告されている遺伝子群についてのSNP解析を行うこととした。そして, 得られたデータを統計処理し, 発症に対する遺伝的バックグラウンドの関連性(リスク)について解析すれば, 難治性根尖性歯周炎の遺伝子診断への応用につながると考えている。本年度は, 健常者3名と難治性根尖性歯周炎と診断された1名の患者からゲノムDNAを採取した。具体的には, 綿棒の先端を健常者および難治性根尖性歯周炎罹患患者の頬粘膜に押し当てて, 10回ほど擦って口腔粘膜細胞を採取し, この口腔粘膜細胞からゲノムDNAを調製して-80℃のカギ付き冷凍庫にて保管した。最終的には各々20サンプルを目標として, 次年度も引き続きサンプルの収集を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
健常者3名と難治性根尖性歯周炎と診断された1名の患者からゲノムDNAを採取しており, おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は順調に進展しており, 現在のところ研究計画に変更はない。
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