2014 Fiscal Year Annual Research Report
筋紡錘の役割を利用した生理学的咬合高径決定法の確立
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25670816
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 芳信 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (10144510)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 咬合高径 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、咬合高径を決定する重要な因子である咀嚼筋の長さを調節する筋紡錘の働きに注目し、これが最も的確に機能を果たす範囲を探ることで生理学的に適正な咬合高径を決定する装置を開発し、臨床応用できる形にすること、また本法を用いて、これまでの咬合高径決定法の再評価ならびに効率的な臨床的手法を開発することを目的として研究を行った。 健常有歯顎者9名(男性9名,29.2±2.3歳)と,安静時空隙利用法と顔面計測法を併用して咬合高径を決定した上下全部床義歯を製作し,良好な経過を得ている無歯顎者6名(男性6名,67.2±4.4歳)を選択した.被験者には両側下顎臼歯部に与えられる開口方向の単調増加負荷に対して最低必要限の力で抵抗し,顎位を維持するよう指示した. 与えた負荷と生じた筋電図活動との関係から、咬合高径を低下させた時,負荷開始前から閉口筋がわずかに持続的収縮状態にあるために,γ運動ニューロン活動によるIa-EPSPの時間的加重及び促通が生じると考えられ,その状況下で負荷に対抗したためり、そのことが負荷の過大評価をに生じた引き起こしたと考えられる.こうした現象は、等尺性収縮時にα-γ連関が最も正確に作動する咬合口径が存在することを示唆する 以上のことからこのように,負荷とRMSとの間にある直線関係は,咬合高径を挙上させても,低下させても変調を受けることが認められたため,噛みしめ運動の神経筋調節機構は至適の下顎位においてのみ成立すると考えられる.従って,この負荷-RMS関係を利用すれば,咬合高径を機能的に決定することが可能であると考えられる. 以上の結果を、第123回日本補綴歯科学会で発表し、英文誌に投稿中である。
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Research Products
(2 results)