2014 Fiscal Year Annual Research Report
骨-神経系に作用する受容体を標的とする新たな歯槽骨吸収抑制方法の開発
Project/Area Number |
25670817
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢谷 博文 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80174530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江草 宏 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (30379078)
佐伯 万騎男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30273692) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収抑制 / コリン作動系 |
Outline of Annual Research Achievements |
抜歯、歯周病に起因する歯槽骨吸収を抑制し、失われてしまった歯槽骨を再生することは補綴歯科治療の良好な予後のために非常に重要な課題である。歯槽骨の吸収を担うのは活性化された破骨細胞であり、これを防ぐためには破骨細胞の分化・形成を抑制する技術が必要である。本研究では、ケミカルバイオロジーのアプローチから破骨細胞の分化を制御する新規受容体を探索し、これを分子標的とした新たな歯槽骨吸収抑制技術の基盤を創成すること目的とする。これまでのライブラリースクリーニングの結果、破骨細胞分化を促進する化合物としてアセチルコリン(ACh)エステラーゼ阻害剤が検出されている。また、AChエステラーゼが破骨細胞の分化抑制作用を示したことから、破骨細胞には神経系と同様にコリン作動系の細胞分化調節機構が備わっている可能性が示唆されている。前年度に同定したα7-nACh受容体の阻害剤であるMLAを用いて破骨細胞に及ぼす影響を検討した結果、低濃度において破骨細胞の分化を抑制することが明らかとなった。また、間葉系幹細胞を用いた骨芽細胞への分化誘導実験の結果、高濃度で骨芽細胞への分化を促進することが明らかとなった。したがって、α7-nACh受容体が骨吸収抑制/再生に影響を与えることが示唆された。本研究成果は、この受容体が新たな骨吸収抑制法の標的となる可能性を示しており、今後の研究の発展が期待される。
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