2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚移植医療の発展に向けた革新的歯胚分割技術の確立
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25670835
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
辻 孝 独立行政法人理化学研究所, 多細胞システム形成研究センター, チームリーダー (50339131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 正充 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00548307)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 再生医工学 / 歯 / 器官形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実施項目に従って進捗し、下記の研究成果を得た。1.歯胚分割技術の構築:平成25年度の研究成果にて達成済である。2.分割歯胚における歯形成能の検討:平成25年度の研究成果にて達成済である。 3. 歯胚分割における発生メカニズムの解析:研究項目1で達成された分割操作により発生する歯胚を用いて、歯の発生に重要な1stエナメルノットの形成や、咬頭形成に関わる2ndエナメルノットの形成、さらには歯冠幅・形態形成に関わる遺伝子発現をin situ hybridizationにより解析したところ、それぞれの分割歯胚は天然歯胚と同様の遺伝子発現を呈しており、歯胚発生に関わる正常な分子メカニズムが動いていることが示された。 4.分割歯胚の口腔内発生の解析:マウス歯牙喪失モデルに分割歯胚を移植したところ、移植60日目にはエナメル質や象牙質、歯髄、歯周組織といった天然歯と同等の組織構造を有した2本の分割歯が萌出し、対合歯との咬合を確立することが明らかとなった。 5. 分割歯の生理機能の解析:顎骨内で発生・萌出した分割歯に対して矯正力を付与したところ、それぞれの分割歯にて、骨リモデリングを介した生理的な歯の移動が可能であることが組織学的解析により示された。また、分割歯の歯髄および歯根膜にはNeurofilament陽性の末梢神経が侵入しており、分割歯に侵害刺激を与えることにより、三叉神経脊髄路核の神経細胞において痛みの指標となるc-Fosタンパク質の発現が認められた。このことから、分割歯は天然歯と同等の歯根膜機能や中枢への刺激伝達を可能とする歯の生理的機能を有することが実証された。 本研究課題は今年度が最終年度であるが、実施すべき研究実施項目は全て達成されている。
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Research Products
(6 results)