2015 Fiscal Year Annual Research Report
ナノバブルと超音波を用いた顎関節硬直症に対する新しい遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
25670842
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 綾 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (00646789)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 顎関節 / 強直症 / 超音波 / ナノ・マイクロバブル / 疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超音波とナノ・マイクロバブルを用いた関節組織への遺伝子導入システムを開発し、顎関節強直症の治療に応用するために、我々が樹立した関節強直症モデルマウスにこの遺伝子導入法を適用して、関節強直症の遺伝子治療の効果を評価し、顎関節疾患に対する本法の臨床応用の可能性を検討することを目的とする。平成26年度までの研究により、我々の研究グループで樹立した関節強直症自然発症マウスの膝関節近傍の筋組織において、照射する超音波の周波数、超音波圧力、デューティ比、パルス数、照射時間などのパラメーターと、ナノ・マイクロバブルの膜構成、気泡サイズ、内封ガス、ゼータ電位などの構成や、細胞と気泡の比率などの条件を変化させることで、超音波場の気泡の動力学の物理的パラメータを最適化でき、細胞生存率、導入効率などを向上させ、組織障害性の軽減させることがある程度可能となった。平成27年度においては、関節病変の発症時期をリアルタイムで非侵襲的に検出し、関節組織への薬剤投与のタイミングを決定する方法を検討した。方法としては、関節炎病巣部で産生されるサイトカイン等を、そのサイトカインと結合する物質に蛍光標識し、生体発光イメージング法で検出する手法を検討した。また、その一方で、この疾患モデルの関節病変の形成過程を再度、病理組織学的に検討した。その結果、現在のところ、ある蛍光標識マーカーにより関節炎の発症を捕捉できる可能性が示唆されたが、検出感度にばらつきがみられ、現在も生体発光イメージング法による病変検出法を検討中である。また、本関節強直症モデルマウスの病理組織学的解析においては、病変の発症から強直症に至る時間がかなり短いことや関節炎発症の初期と関節強直症の形成時期では組織像が全く異なること等から、それぞれの病期において治療効果が期待できる薬剤の検証の必要性が明らかとなった。
|