2013 Fiscal Year Research-status Report
転写因子群導入による脂肪由来間葉系幹細胞の唾液腺分化誘導法の開発
Project/Area Number |
25670845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鵜澤 一弘 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30302558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 秀樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50236775)
笠松 厚志 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60375730)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 唾液腺再生 / direct reprogramming |
Research Abstract |
加齢、自己免疫疾患、癌放射線療法などの原因により引き起こされる唾液分泌量の低下は、口腔環境の悪化に強く影響を与え、患者のQOLを著しく低下させてしまう。以前より唾液腺の機能回復を狙った様々な研究が盛んに行われているが、未だ治療法にまで到達できていないのが現状である。近年、唾液腺が発生する過程で様々な転写因子が機能していることが解明されてきており、それらが唾液腺形成に重要な役割を果たしていることが分かってきている。そのため、我々は唾液腺形成に必要な外因性因子を調整することで新規の唾液腺再生治療法の開発を目的として実験を行う。既に、我々は、口腔内から採取した頬脂肪体由来の間葉系幹細胞(ASCs)に、植物ホルモンであるGibberellic acid を分化誘導因子として用いることにより、アミラーゼ産生細胞に分化させることに成功した。このモデルは唾液分泌細胞の分化発生のモデルになると考えられるため、このアミラーゼ産生細胞を用いてAffymetrix社のGeneChip Human Genome U133 Plus 2.0 Arrayにて網羅的マイクロアレイ解析を行った。網羅的マイクロアレイ解析の結果2倍以上の発現亢進を認めた15遺伝子、0.5倍以下の発現減弱を認めた13遺伝子を同定した。さらに、IPA (Ingenuity Pathways Analysis)をもちいてネットワーク解析を行い、さらに、文献的考察を行うことにより、唾液腺分化に関与すると考えられる5つの遺伝子(TP63、Snai2、Pitx1、Six1、Pax6)を選定した。次に、これらの5つの遺伝子を様々な組み合わせで強制的に発現させるため、Life technologies社のGatewayシステムを用いて、遺伝子発現ベクターを構築した。今後、遺伝子強制発現実験を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り進行しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
1. 遺伝子導入実験により唾液腺細胞分化に必要な転写因子の組み合わせを明らかにする。 2. 転写因子導入による分化誘導法の細胞障害性の有無の確認 3. 唾液腺マーカーの発現量の確認 4. 唾液腺分化誘導細胞の形態の確認
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