2013 Fiscal Year Research-status Report
骨系統疾患治療薬の開発に向けたsFRP1およびb-cateninの機能解析
Project/Area Number |
25670852
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古賀 陽子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10392408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡安 麻里 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (10610941)
倉林 くみ子 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (40586757)
菅野 勇樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80451813)
稲木 涼子 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (90632456)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | sFRP1 / b-catenin / Wnt |
Research Abstract |
[目的]中枢神経系が骨形成、骨代謝、および骨量を制御していることに着目し、中枢神経系の胚発生の段階で重要な役割を果たすWnt/b-cateninシグナル伝達経路とその拮抗タンパク質であるsFRP1との関連を明らかにするとともに、骨におけるWnt/b-cateninとsFRP1の作用機序の解明を目的とした。 [結果] 1.マウス大脳皮質の発生段階におけるsFRP1およびWnt/b-cateninの発現パターンの解析 sFRP1およびb-cateninが大脳皮質のどの部分に発現が強く、その発現パターンをステージが進むにつれてどう変化してくのかを観察し、正常の発生過程におけるそれぞれの発現パターンを確認した。解析方法には、胎生期11.5日(E11.5)、E14.5、出生後1日(P1)、P5のマウス大脳皮質の組織切片を作製し、sFRP1およびb-cateninのPNAプローブを作製し、in situハイブリダイゼーション法にて行った。その結果、sFRP1はE11.5~P1の脳室下帯(VZ)に発現し、特にP1の側脳室下帯(SVZ)に発現していることが確認できた。また、b-cateninも同様にE11.5~P1のVZに発現し、その発現パターンは発生過程で減少していた。これらの結果より、sFRP1がb-cateninを制御していることが示唆された。 2.in vitroにおける神経幹細胞の増殖・分化に対するsFRP1およびWnt/b-cateninの制御機構の解析 E12.5大脳皮質より細胞を採取し、幹細胞培養(ニューロスフェア法)および分化誘導培養を行い、sFRP1陽性細胞が神経幹細胞マーカーであるPax6、nestinを発現し、さらに分化誘導後に神経系分化マーカーであるTuj1,GFAPを発現することが確認できた。これらの結果より、sFRP1が神経細胞を制御しているこが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書の年次計画に基づき研究を遂行し、予定であった神経幹細胞に対するb-cateninの発現をウェスタンブロッティング法で確認することは完遂できていないが、その他は予定通り研究が進んでいると考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、大脳皮質および骨におけるsFRP1およびb-cateninのin vivoでの機能解析を下記の通り行う。 1.sFRP1およびb-cateninのgain of function(機能獲得)の検討 ①大脳皮質への遺伝子導入(エレクトロポレーション法)②骨組織の解析 2.sFRP1およびb-cateninのloss of function(機能喪失)の検討 ①遺伝子導入(RNAi)②大脳皮質の解析
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