2013 Fiscal Year Research-status Report
PDEの唾液タンパク質合成・分泌促進による新型インフルエンザの新治療方法開発
Project/Area Number |
25670855
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (20378368)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 鳥インフルエンザ / 唾液 / cAMP / phosphodiesterase |
Research Abstract |
鳥インフルエンザウイルスなどのウイルスは変異によりヒトへ感染する能力を持つウイルスとなり(新型インフルエンザウイルス)、世界中で爆発感染(パンデミック)が警戒されている。しかも、抗ウイルス薬やワクチンを十分量確保することは困難で、また、耐性などの問題も指摘され、新しい予防や治療方法開発が急務である。 唾液には抗ウイルス作用のある唾液タンパク質が含まれ、唾液タンパク質合成・分泌はセカンドメッセンジャーであるcAMP により制御されている。そして、細胞内のcAMP 濃度はアデニル酸シクラーゼによる合成とphosphodiesterase (PDE) の分解により調節されている。 そこで本研究ではPDEにより抗ウイルス作用のある唾液タンパク質合成・分泌を促進し、新型インフルエンザウイルスの新しい予防や治療方法を確立するための道を切り開くことが目的である。 分離細胞のマーカー発現により、分離の状態は良好であった。ラット舌下腺はadrenergic nervesの作用がほとんどないため全体のPDE活性はほとんどないと考えられたが、顎下腺や耳下腺と同程度のPDE活性を認めた。分離した腺房細胞ではPDE3AやPDE4Bの発現が多かったが、PDE1、PDE2、PDE3B、PDE7、PDE8、および、PDE9はほとんど認められなかった。導管細胞では各PDEは少なかった。また、週齢によるPDE発現の変化に大きな変化は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画の項目について、大幅な変更もなく、結果が出ており、おおむね順調に進展している。本年度の成果については、来年度に発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究は順調に進んでおり、来年度も計画に従って進める予定である。ただし、ノックアウトマウスについての研究は、ノックアウトマウスを持っている研究所と共同して研究を進める未定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は分離細胞等でのPDE発現を計画していた。それまではほとんど不明であったため網羅的に確認する必要があったが、発現しているPDEが少なく、更に、詳細に検討するPDEが少なくなった。そのため、460,042円は未使用とした。 前年度未使用分は唾液腺で発現しているPDEを更に詳細に検討する必要が出てきたためその為に、抗体やリアルタイムPCR等の関連試薬等を使用する予定である。
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