2013 Fiscal Year Research-status Report
伴侶動物からの歯周病原性細菌の伝播による歯周病悪化メカニズムの解明
Project/Area Number |
25670873
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 良太 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (90437385)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 道代 (松本 道代) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30359848)
浅井 史敏 麻布大学, 獣医学部, 教授 (00511677)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 犬 / Porphyromonas gulae / FimA / 歯周病 / 僧帽弁閉鎖不全症 / 歯周病原性細菌 / PCR 法 / 伝播 |
Research Abstract |
これまでに,犬の主要な歯周病原性細菌である Porphyromonas gulae の性状に関して分析を行ってきた.その研究において,P. gulae は主要な病原タンパクである FimA の線毛型が 3 種に分類されることを見つけ出し,これらを A/ B/ C 型と定義した.本研究では,犬とその飼い主から口腔サンプルを採取し,P. gulaeをはじめとした各種歯周病原細菌の犬からヒトへの伝播について,飼い主と犬との接触頻度に着目し検討を行った.また,P. gulae と犬における歯周病および僧帽弁閉鎖不全症との関連性についても分析を行った.まず,飼い主およびその家族 169 名と犬 144 匹の口腔サンプルを採取し,分子生物学的手法により主要な歯周病原性細菌の検出を試みた.その結果,犬と飼い主との接触頻度の高い家庭ほど,P. gulaeを含む特定の歯周病原性細菌が犬と飼い主の両方から有意に高い頻度で検出された.次に,僧帽弁閉鎖不全症と診断された 25 匹の犬と健康な 36 匹の犬を対象として歯周状態の評価を行ったところ,僧帽弁閉鎖不全症罹患群では健常群と比較して,歯周状態が有意に悪化していることが明らかになった.さらに,これらの犬の口腔サンプルから抽出した細菌 DNA を段階希釈し,P. gulae の各種線毛型に特異的な検出プライマーを用いて PCR 法を行い,それぞれの犬において有意な線毛型を特定することにした.すると,僧帽弁閉鎖不全症罹患群からは,健常群と比較して C 型の線毛型を有する P. gulae が有意に高い頻度で検出された.これらのことから,P. gulae を含む特定の歯周病原性細菌は,犬から飼い主へと伝播しており,これらのうち C 型の線毛を保有する P. gulae は犬において歯周病の悪化および僧帽弁閉鎖不全症に関連している可能性が示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究は計画していた以上に順調に進行している.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に基づいて研究を遂行していく予定である.
|