2013 Fiscal Year Research-status Report
リコンビナーゼAを用いたリプレイスメントセラピーによる新規齲蝕抑制法の開発
Project/Area Number |
25670874
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
仲野 道代 (松本 道代) 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (30359848)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リコンビナーゼA / 齲蝕 / Streptococcus mutans |
Research Abstract |
Streptococcus mutansは、口腔内のバイオフィルム形成において最も重要な菌であり、表層に存在するグルカン合成酵素(GTF)から、粘着性グルカンを合成する。一方、リコンビナーゼA (RecA) は遺伝子のリコンビネーションを起こすタンパクとして報告されている。過剰なRecAタンパクを培養液中に添加した場合、コロニー形態が通常のラフ型からスムース型に変化しているものの発現率が極めて高くなるが、この現象は、GTFBとGTFC遺伝子がリコンビネーションを生じることに起因する。本研究では、RecAによるGTFBとGTFC遺伝子がリコンビネーションがどのおようなメカニズムによって発生するかを検討した。gtfB および gtfC 遺伝子の各プロモーター領域をPCRにて増幅し、このフラグメントをジゴギシゲニンでラベルし、プローブを作製した。一方、タンパク発現用ベクターpET42a (+)を用いてリコンビナントRecA (rRecA) を作成した。これらのプローブとrRecAを用いて、ゲルシフトアッセイを行い、DNA-タンパク間の結合を検討した。rRecAタンパクを各濃度に調整し、プローブと反応させた後、電気泳動を行った。rRecAの濃度が高くなるにつれ電気泳動での移動距離は短くなったため、DNA-タンパクが結合していることが明らかとなった。これらの反応は、GTFBおよびGTFCともにのプロモーター領域で認められた。以上の結果は、GTFBおよびGTFCのプロモーター領域にrRecAが結合し、リコンビネーションを起こす可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
rRecAのGTFBおよびGTFCのへの結合が明らかとなった。これらのことは、リコンビナーゼAが結合することが、GTFの活性抑制につながる可能性を示している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、RecAのGTFBおよびGTFCへのプロモーター領域以外の結合を検討するとともに、結合部位を詳細に示す。また、リコンビネーションを起こした株が定着できるかどうかをラット動物実験系によって検討する。
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