2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内環境と個体運動に連動する口腔内設置型唾液分泌装置の開発
Project/Area Number |
25670889
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小関 健由 東北大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (80291128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹田 奈緒子 東北大学, 大学病院, 助教 (00422121)
細川 亮一 東北大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40547254)
吉田 英子 東北大学, 大学病院, 医員 (40648458)
伊藤 恵美 東北大学, 歯学研究科(研究院), 技術専門職員 (80596817)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 安静時唾液 / 人口唾液 / 分泌装置 / 口腔機能 / 口腔乾燥症 |
Outline of Annual Research Achievements |
安静時唾液は口腔内の環境を規定し、口腔機能の円滑な活動に極めて重要な役割を担う。この安静時唾液が減少すると、口腔内疾病の罹患率の増加のみならず、口腔機能不全により栄養摂取から発声までもが障害を受け、生活の質(QOL)を著しく低下させる。本研究では、口腔乾燥症の補充療法に着目し、安静時唾液の性状と機能を検討し、人工唾液を調整して口腔内設置型唾液分泌装置の開発を行った。 口腔内唾液の最小必要分泌量の見積を、口腔内に一定速度で滅菌精製水の微量連続注入を行い、自然嚥下の回数の変化を解析した結果、口腔内の自然嚥下を維持する事に必要な安静時唾液は、1分間当たり数百マイクロリットルであると推測された。これを元に、グリセリンをベースとした人工唾液の分泌量を1分間当たり0.1マイクロリットルと仮定した場合は1時間当たり6ミリリットルと試算された。この試算から、口腔内設置型唾液分泌装置の基本的な稼働量が得られた。 これらの結果から、口腔内設置型唾液分泌装置のプロトタイプを試作した。人口唾液を分泌するためのモーターは、定量性と安定性を考え、超小型ブラシレスモータに減速機を備え、プランジャーの移動にてシリンジ内の人口唾液を押し出すシステムとした。制御部にはマイクロコントローラに制御プログラムを書き込んで制作した。医療機器としての承認が無いので口腔内に設置には至らなかったが、駆動のための二次電池の問題が解決できれば技術的に、実際に臨床で使用できる口腔内設置型唾液分泌装置の制作が可能である事が示された。 これらの実験から、安静時唾液分泌量と自然嚥下の関係は、各個体によって大きく差がある事が示され、各人の適正な安静時唾液分泌量の計測法を見いだし、それを元に口腔内QOLを大きく改善する臨床的な唾液補充療法の糸口を掴んだと共に、実際に補充するためのツールとしての口腔内設置型唾液分泌装置の可能性を検証できた。
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[Presentation] 東北大学病院におけるがん支持療法としての取り組み2014
Author(s)
山崎 佐千子, 伊藤 恵美, 福井 玲子, 原 美里, 笠原 千秋, 細川 亮一, 玉原 了, 吉田 英子, 丹田 菜緒子, 菅崎 将樹, 末永 華子, 百々 美奈, 加藤 翼, 菊池 瑞穂, 小関 健由
Organizer
日本歯科衛生学会
Place of Presentation
大宮市
Year and Date
2014-09-13 – 2014-09-15
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[Presentation] 東北大学病院におけるがん支持療法としての口腔機能管理の取り組み2014
Author(s)
加藤 翼, 細川 亮一, 玉原 亨, 吉田 英子, 丹田 奈緒子, 菅崎 将樹, 末永 華子, 百々 美奈, 小野 瑞穂, 伊藤 恵美, 小関 健由
Organizer
日本口腔衛生学会
Place of Presentation
熊本市
Year and Date
2014-05-29 – 2014-05-31