2013 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者への義歯の装着が嚥下機能の回復に及ぼす効果を検討する介入研究
Project/Area Number |
25670894
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20192403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 美智子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20509591)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高齢者 / 歯 / 義歯 / 嚥下障害 |
Research Abstract |
平成25年度は、嚥下と口腔の健康状態(義歯の装着状況を含む)の関係を調べた先行研究のレビューと、研究計画の立案、倫理審査委員会への申請を行った。 レビューの結果、複数の研究によって歯数が多いと嚥下機能が正常となることが示され、また、少数歯の者が義歯を装着していると嚥下機能障害が起こりにくいという義歯装着の肯定的な効果が報告されていた。一方、義歯装着によって嚥下機能が低下したとする報告があり、この嚥下機能の低下の理由として、義歯装着により咀嚼や口腔内知覚が変化したためとしている。しかし、この報告では、義歯の適合について評価がされておらず、適合不良な義歯を装着している患者が混在していた可能性がある。義歯装着が嚥下機能に及ぼす効果を調べるにあたっては、義歯の適合性を加味した上で調査が必要であると思われる。 本研究は、義歯の治療を必要とし、嚥下障害が疑われる高齢の患者が、義歯の治療を受けた後、適合良好な義歯を装着することで嚥下機能に変化がみられるか観察を行うこととし研究計画を立案した。研究計画として、対象者の適格基準を、義歯の治療を必要とし嚥下障害が疑われる65歳以上の患者とし、除外基準を、脳卒中急性期や神経難病を有する患者、食物の認知が不可能な認知機能低下が重度の患者、嚥下造影撮影や歯科治療が困難な患者とした。方法として、患者に嚥下訓練を施行後、義歯の治療を行い、義歯治療後に、直ちに嚥下造影検査を義歯装着前後で行い、さらに2週間後に義歯の装着前後で嚥下造影検査を実施するように計画を立案した。現在、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会にて研究の承認を得ており、協力施設の倫理審査委員会に申請中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、今年度に研究協力施設で対象者の選定と調査を実施する計画であった。当初の計画とは異なったが、質の高い調査を目指すべく研究計画の立案前に先行研究のレビューを行い、レビュー論文を執筆した。そのため、対象者の選定と調査の実施が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、研究協力施設での倫理審査が承認され次第、調査を実施する。当初の計画では、調査実施日から6カ月後に義歯装着による嚥下機能の最終評価を行う予定であった。しかし、先行研究から義歯装着による即時効果が認められる可能性が示唆されていたことから、義歯治療から2週間(義歯の慣れが生じる頃)に嚥下機能変化の最終評価を行うように本年度は計画を変更する。最終評価までの期間が短くなることで、本研究は調査期間までに遂行可能であると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は当初の計画と異なり先行研究のレビューを行ったため、本格的に調査が実施できず、当該助成金が生じた。 平成26年度は嚥下機能を評価するにあたり、ビデオ嚥下造影検査の画像分析を行い、また舌運動機能分析も行うため、その分析に必要な機器などを新たに購入する予定である。
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Research Products
(1 results)