2013 Fiscal Year Research-status Report
次世代リバースエイジング: 体内硫化水素曝露幹細胞による老化組織の新生
Project/Area Number |
25670898
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
八重垣 健 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (40166468)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 硫化水素 / 骨髄幹細胞 / 乳歯幹細胞 / 肝臓 / 再生医療 |
Research Abstract |
本年度は成体幹細胞の肝臓分化における硫化水素の影響を明らかにした。 硫化水素は変異原性物質であり、口臭原因物質であると知られている。また、硫化水素は多くの生理学的プロセスにおいて、主要活性物質として働く。我々は無血清培地においてヒト乳歯歯髄幹細胞からほぼ100%、肝臓様細胞を、しかも一カ月足らずで億個単位で、産生する方法を確立した。本研究の目的は、肝臓様分化させた骨髄幹細胞と乳歯歯髄幹細胞の相違、また分化への硫化水素の影響の究明とした。 骨髄幹細胞、乳歯歯髄幹細胞いずれにおいても多能性幹細胞マーカーに陽性であった。中胚葉系、内胚葉系、その他マーカーは強く発現された。qRT-PCRによって幹細胞に関連する84種の転写因子を明らかにした。PCRでは乳歯歯髄細胞において幹細胞転写因子の36%が明らかに発現されていたが、39%は発現が弱いという結果となった。骨髄幹細胞と乳歯歯髄細胞の幹細胞に関連した転写因子の発現を比べた。ここに骨髄幹細胞と歯髄幹細胞の違いが認められ、アルブミン、αフェトプロテイン、カルバモイルリン酸合成酵素はコントロール群、実験群ともに免疫染色で発現が確認された。培養液内の尿素濃度はコントロール群に比べて実験群では上昇がみられた。(p<0.05) さらに乳歯幹細胞のほうが分化が進む傾向が見られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむねと進展しているとの理由は、in vitro実権はすべて予定通りである。正常ラットへの再生肝臓の移植は実施したが、老化促進ラットでは、いまだ実施していない。理由は、老化促進ラットで肝機能低下を示すラットが無いためである。肝臓の老化マーカーの検索を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
膵臓分化を行い、これに対する硫化水素の影響を明らかにする。すなわちインスリン合成・分泌、c-peptide、somatostatinなどへの影響を見るほか、WNT signaling pathway への影響も明らかにし、動物移植実験を予定している。
|