2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670906
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水流 聡子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80177328)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 医療安全 / システム / 統合化モデル |
Research Abstract |
目的:医療機関における医療安全管理は、インシデント是正処置(患者に被害の無い不具合行為への是正処置)、アクシデント是正処置(患者に被害のある不具合行為への是正処置)、予防処置(インシデント,アクシデントを生じうるリスクへの未然防止)の3つの異なった改善プロセスで行われている.これら3つの是正処置の統合化を図る、「総合的医療安全管理システム」の設計と実際の病院における検証を行う。 方法:約1000床のA急性期病院の協力を得て行った。実施した内容は、(1)4つの機能からなるフレームワークの検討と現実システム設計、(2)即時報告システムの設計、(3)本研究フレームワークを基盤とする病院組織設計、(4)事例としての病院運用モデル・導入モデルの構築、(5)総合的医療安全システムの導入プロセス設計、である。 結果:4つの機能は、「即時対応管理」、「分析管理」、「変更管理」、「構成管理」の4つの管理機能として設定された(ただし、即時対応管理と構成管理は常設とする)。本研究で構築した医療安全管理システムのモデルが複数の医療現場において汎用的に適用できるかを検証する必要がある。そこで、まず本研究において特に詳細に現状調査したA病院への適用を試みた。はじめに、本稿モデルをA病院用へカスタマイズした。これは、論理的には必要のない修正であるが、各病院におけるこれまでの習慣をモデルにカスタマイズし、各病院に受け入れやすくした。医療安全管理者をはじめとするA病院における職員からは、3つの改善プロセスにおける医療安全管理システムのモデルは、統合できることが容易に納得された。さらに、本モデルはA病院の医療安全改善策として適用されることとなった。このことから、技術的には3つのプロセスを統合することが望ましいことを、病院組織に認識させ、形骸化していた各改善プロセスの別処理の現状を打破できたと示唆される。
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Research Products
(2 results)