2013 Fiscal Year Research-status Report
ネットワーク分析によるインシデントレポートの記述データの可視化と妥当性の検討
Project/Area Number |
25670910
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧本 清子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80262559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周藤 俊治 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (30420748)
遠藤 淑美 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50279832)
山川 みやえ 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80403012)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インシデントレポート / 精神科 / 質的分析 |
Research Abstract |
今年度は、既存のデータ約13年間のデータのデータの把握と、データ分析のための整理を中心に実施した。今後、記述データを分析(ネットワーク分析)するための方略を明確にするにあたり、既存データの特徴を捉えるために、記述統計分析を実施した。 13年間の年度別発生件数では年度により311件から532件と大きな差が見られた。最も多かったインシデントは「転倒・転落」の2532件(47.2%)で、その次に「誤薬」の1207件(22.6%)、「暴力」の346件(6.5%)であった。インシデントレポートの報告者は約90%が看護師であった。報告者の経験年数は約40%が21年以上であった。 「転倒・転落」の発生率は1.47/1000患者日であった。年度による発生率の変動が大きく、最大2倍以上の差がみられた。病棟別の発生率を比較すると、高齢者専用病棟が高かった。高齢者専用病棟の同機能病棟で年度別の発生率の比較をすると、約3倍の差がみられる年度があった。重症度別にみると、69%の転倒・転落で処置や治療が不要であった。 「誤薬」の発生率は0.7/1000患者日であった。年度別の発生率は2005年度以降減少傾向で、他の事故と年度別発生率が異なる傾向であった。回復・慢性期の同機能病棟で発生率を比較すると2倍以上の差がみられた。時間別誤薬発生率は20時以降の発生率は低い傾向にあった。重症度別にみると、77%の誤薬で処置や治療が不要であった。 「暴力」の発生率は0.2/1000患者日であった。年度により発生率は大きく異なり2009年度より増加傾向で、2012年度が最も高かった。病棟別の発生率を比較すると、回復・慢性期病棟で多く発生していた。回復・慢性期の同機能病棟で発生率を比較すると2倍以上の差がみられたが、発生率の高い病棟は重症度の低い暴力が多く報告される傾向にあった。この結果はデータ収集病院で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、記述データ分析(ネットワーク分析)の方法を計画する時期であったため、予定通りに執行できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画通りに、ネットワーク分析を実施していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データの分析は少人数で実施したため、人件費が不要であったこと、データは既に既存のものを得たため、データ収集にかかる旅費が少額で済んだことが挙げられる。 次年度は、ネットワーク分析を実施するために、人件費が必要となるため、人件費に充てる。また成果発表のための旅費にも充てる予定である。
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Research Products
(1 results)