2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
小林 たつ子 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (10279896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芳山 充晴 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (20422694)
中橋 淳子 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (20468226)
井口 久美子 山梨県立大学, 看護学部, 助手 (20582109)
西村 明子 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (30436886)
西沢 三代子 山梨県立大学, 看護学部, 講師 (40446183)
武田 正之 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (80197318)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 夜間頻尿 / 高齢者 / 足浴 / 排尿日誌 / アクチグラフ |
Research Abstract |
研究目的は、夜間多尿、夜間頻尿に対し、末梢血液循環を促進する看護技術である『足浴』を入眠前ではなく、夕方実施することにより、一日蓄積された浮腫傾向が修正され、就寝前までに排尿されることにより、夜間多尿が改善し夜間頻尿も改善すること、およびその改善により、良質な睡眠が得られることの2つの仮説を検証することであった。 このことについて、プレ研究として、取り組み、山梨県立大学看護学部紀要に投稿し、査読の結果採択され掲載された。その研究目的は、(1)夕方の足浴により、午後から夕方にかけて貯留した浮腫傾向の水分が足浴の排尿促進効果により、入眠前に排尿され、夜間排尿量と夜間排尿回数を減少させる。(2)足浴により睡眠効率が良好化するとともに、(1)の成果も加わり夜間の中途覚醒が減少する、とした。クロスオーバーデザインで夜間1回以上の排尿がある65歳以上の女性7名を対象とした。評価指標は排尿日誌(足浴実施群5日間、非実施群を3日間)、アクチグラフを用いた。データ分析はt検定・Mann-WhitneyのU検定のいずれかを用いた。 その結果、夕方5時に足浴を実施した群は、夜間尿量は有意に減少し、夜間排尿回数も減少(0.5回)した。日中尿量も有意に増加した。しかし、眠前の足浴実施後から入眠までの間の眠前尿量では有意な差はみられず、個別の結果でも眠前尿量が増えていたのは7人中2名のみであった。1名は高血圧で他の1名は低血圧であったことから、共に日中は腎血流量が低下するので、足浴による効果が比較的迅速に出るのではないかと推測するが、症例数が少ないため今後の追求課題である。また足浴を実施した群の睡眠効率には良好化傾向が見られた程度であった。 以上のような結果から研究成果は得られると考えられるので、今後は対象人数や対象条件等を整え仮説に対する検証研究を本格的に実施したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は本格的に研究を実施展開する前に、倫理審査委員会の承認を受けプレ研究を行った。その結果から、足浴は排尿と睡眠に影響があるという傾向が分かったが、足浴が睡眠の質にどのように影響しているかについては、スリープスキャンとアクチグラフを使って調査した。しかしその分析やアクチグラフとスリープスキャンの結果の整合性など、データの取り方やその分析が適切にできなかったので、次年度の研究活動に繋げていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は所属する大学を移籍したため、地域特性を知り、研究実施施設の状況やそこで活躍する方々との人間関係を形成し、研究について協力が得られるよう丁寧に説明し、研究が再開できるよう取り組みたい。 プレ研究から得られた課題の①足浴の効果は血圧値により影響を受けるのか、②足浴が睡眠の質にどのように影響しているか、等から夕方の足浴は夜間多尿、夜間頻尿を改善するか、その根拠について、さらに研究計画を再考し本格的に研究を実施したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プレ研究で小規模であったこと、また研究のための打ち合わせや検討のための会議を持つことができなかったこと、また学会への参加もできなかったため、謝礼や旅費、及び準実験経費も少なかったためである。 本格的な研究の実施にあたり、打ち合わせや検討会を行い、専門家からの意見を得たりするための謝礼や学会に参加し新しい情報を得るための費用とし、計画を緻密に練り、実施するための費用として使用していきたい。
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Research Products
(1 results)