2014 Fiscal Year Annual Research Report
看護師と患者の生体リズムの同調情報を活用した看護暗黙知の修得支援システムの研究
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25670919
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
真嶋 由貴恵 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70285360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 泰子 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (60353033)
片桐 真子 地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所, 製品信頼性科, 研究員 (50359379)
石亀 篤司 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60212867)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 看護技術 / 同調現象 / 暗黙知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,看護技術における「熟練の技(わざ)」や「コツ」などの「暗黙知」を体得するために,看護師と患者の生体リズム(脳波と心電図)の同調情報(引き込み現象)を活用した教育システムを検討することを目的として,採血手技に対して看護師と患者の同調現象の有無を検証した. 対象者は,採血実施時における看護師と患者のそれぞれの脳波と心拍の同時測定を行った。被験者は,同意の得られた看護師2名(いずれも年齢40代女性,看護師経験9,10年)と患者役4名(いずれも年齢20代男性3名,女性1名)とした。採血は2つの腕モデル(ADAM ROUILLY社製点滴・採血トレーナー)を用いて,中のチューブの位置をずらすことで採血が比較的簡単なものAと難しいものBを用意した。これは採血の難度の違いによって看護師のパフォーマンスに違いが生じ,それが看護師と患者の同調にどのように影響するかを検討するためである。 実験手順は,初めに2人の脳および心電図の緊張レベルをリセットして合わせるために暗算課題を行う。次に閉眼安静状態で脳波および心電図測定を行ったあと,採血を実施し,終了後に閉眼安静状態でそれぞれ測定を行う。この4過程を1試行とし,同じ看護師と患者の組み合わせについて5試行実施する。ただし,看護師n2については,リセットのための暗算課題は1試行目だけとした。 その結果,脳波においては看護師に数秒遅れて患者の脳波が同調することが示唆された。また,採血に失敗するといった異常時には,同調が見られないことも示された.一方,心電図においては,同調と呼ばれるような現象は分析できなかった.今後は,脳波を利用した具体的な教育システムと心電図からの同調現象の分析方法について再度検討を進める予定である.
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Research Products
(15 results)