2014 Fiscal Year Research-status Report
とまらない院内感染は防止できるか?MRSA撲滅に向けての清掃ガイドライン作成
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25670921
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
森本 美智子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60342002)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 直久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40199336) [Withdrawn]
田辺 文憲 山梨大学, 総合研究部, 教授 (80217108)
大沢 一貴 長崎大学, 学内共同利用施設等, 教授 (90244756) [Withdrawn]
池原 弘展 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (90549122)
東 知宏 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (90582908)
荒川 創一 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70159490)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 清掃 / 感染 / 環境 / MRSA / 看護師 / 清掃業者 / 感染管理者 |
Outline of Annual Research Achievements |
感染管理者等、清掃管理者へのインタビューを基にMRSA感染症の清掃問題を明らかにすること、MRSAで汚染された患者環境表面の清掃具の種類の違いによるMRSAの拭き取りの効果を検討を目的として、①インタビュー調査、②MRSAに対する清掃方法の検討、高頻度接触面の環境清掃に対する細菌の拭き取りの効果の実験を行った。 ①インタビュー調査:対象は8病院の感染管理看護師8名とICD2名、清掃業務管理者(委託業者)8名、病棟看護師長8名。データ収集はインタビューを行い、逐語録としてテキスト化した。分析はKH Coderを用いて関連語抽出を行った。結果:清掃業務管理者は誰がMRSA感染症患者か告げられず清掃を行うこと、専門的感染教育をされずMRSA感染症の不安を覚えながら業務する問題が表出。感染管理者は看護師が業者・補助者に清掃を任せ環境整備の意識低下問題、ICDは環境整備を把握していない問題が表出した。考察:感染対策の統一教育や清掃方法を確認する責務が必要である。②MRSA対する清掃の実験方法:オーバーテーブルとベッド柵資材を使用。MRSAは臨床分離株、清掃具はA~Gの7種を使用した。資材隅にMRSAを10μLを滴下し各種清掃具で一定方向へ10秒間で拭きとりふきふきチェック(栄研)を用い残存する菌を採取した。ベッド柵は、10㎝左端に菌液を滴下し,各清掃素材で1回ふき取り残存する菌を採取した。マンニット食塩培地(日水)に滴下し培養し,コロニー数をカウントした。結果:オーバーテーブルは素材7種で清拭後の残存する菌数は、A,B,D,Gの清掃具はFの雑巾に比べ,MRSAの残存菌数は有意に少なかった。消毒薬別では塩化ベンザルコニウム等,素材はマイクロクロスが有効であった。ベッド柵はA,Cの清掃具が残存菌数は有意に少なかった。考察:材質の違いにより,ふき取りの効果も異なる可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の目標として、インタビュー調査を終了、その後分析し問題点を明らかにすることであった。昨年度に引き続き、合計8病院の調査を行い、データ分析を終え、国内外で発表した。加えて、MRSAに対する清掃方法に関する検討の実験においては、N大学から実験場所の変更を余儀なくされたが、山梨大学医学部が実験場所として施設使用を快諾・協力してくれため、実験をほぼ順調に進めることができた。環境の整備によるMRSAによる実験もほぼ終了した。追加実験を検討する予定である。インタビューの結果を国際(2題)・国内学会(5題)で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
インタビュー・実験の結果をまとめる。データ収集について、確認実験を検討する予定である。最終的に平成27年度は清掃のガイドラインの試案作成について取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に次年度使用額が生じた理由として、実態調査に数か所の病院調査、実験を行うため数回の旅費の計上し予定したが、2名の分担者が離職や育児や家庭の都合上,研究時間を取れなく実験に参加できなくなり、代表者と分担者の1人が調査および実験をすることとなった。そのため、分担者の旅費として計上金額より使用が少なくなった。平成26年度にMRSAの実験の実験場所を変更したことから、残りの実験等を今後少し検討実施予定のため、残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残りの実験対する器具、試料、材料の購入が必要となる。また、ガイドラインの試案、成果発表、論文投稿、印刷、旅費が必要となる。
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Research Products
(7 results)