2015 Fiscal Year Annual Research Report
ディグニティセラピーを用いた看護師のためのスピリチュアルケアモデルの開発
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25670923
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
志田 久美子 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (60461266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 岸子 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (10201170)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護師 / スピリチュアルペイン / スピリチュアルケア / ディグニティセラピー / ターミナルケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ターミナルケアに携わる看護師を対象にディグニティセラピー(以下DTとする)を用いた看護師のためのスピリチュアルケアモデルを開発することを目的とした。 対象者は、常時ターミナル期の患者が入院している一般病棟に勤務している看護師6名である。調査期間は2015年10月から2016年2月であった。 まず、予備調査を実施し試案を作成した。実施方法は個別に実施し、1)事前準備として、面接の1週間前に「ターミナルケアにおけるスピリチュアルペインの体験とDTの質問表」と「看護師のためのDTノート」を渡して実施方法を説明した。2)ターミナルケアにおけるスピリチュアルペインの体験を語ってもらった。3)DTの質問について語ってもらった。4)1週間後に3)の語りの内容を文書にして研究対象者に確認し、編集・修正した。5) 4)の1週間後に完成した文書を研究対象者に渡した。6)研究対象者に愛する家族や友人といった大切な人と2週間以内に文書の内容について話し合ってもらった。7)一連の体験について語ってもらった。研究対象者の了解を得て録音し逐語録を作成した。分析は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて行った。 看護師は、後悔の念や罪責感、無力感といったスピリチュアルペインを体験していた。対処法としては、同僚や上司と感情を共有したり、励ましてもらったりしてスピリチュアルペインが癒されたり、カンファレンスで話し合ったり、気分転換をしていたが、ふとその体験が蘇って苦悩することがあった。しかし、看護師のためのスピリチュアルケアモデル実施後は、スピリチュアルペインの体験を語ることで癒される場合と過去の出来事を語る辛さを体験する場合があったが、どちらの場合も自己の内面への気づき、看護師としての希望を見出していた。したがって、本モデルは看護師のためのスピリチュアルケアになったと考えられる。
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