2016 Fiscal Year Annual Research Report
A study on the perceptions of students and teachers and instructional guidance when student learning has stagnated on clinical nursing practicum.
Project/Area Number |
25670925
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
堀 良子 北里大学, 看護学部, 教授 (70199529)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 看護学臨地実習 / 学習停滞 / 指導困難 / 態度構造分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、看護学臨地実習において、学習の停滞で学習が進まない学生と、そのような学生を指導し指導困難を感じたことのある教師の態度構造について言及する中で、学習の進行を促進する実習指導の在り方について考察を行うことを目的としている。そのため、一次調査として全国の3年課程看護師養成機関の教師および学生に対する認識調査を実施した。次に二次調査として、教師は実習での学習の停滞により指導困難を感じた時、学生は、学習停滞して前に進めない状態の時のそれぞれの認知・感情・行動傾性について、個人の態度構造をPAC分析(Personal Attitude Construct Analysis:個人別態度構造分析)の方法で面接調査した。全部で、教師は7例、学生は6例の分析を行った。 そのうち最終年度には、教師4例、学生5例の面接調査を行い分析した。結果は、教師については、学生が何で躓いているのか知ろうと働きかける、看護スタッフと調整し環境を整えるなどを行っているが、良い結果につながらないことで悩んでいた。学生は、指導されたことがいったん理解できるが時間がたつとわからず記録や行動につながらない。指摘が嫌な印象で受け止められる、評価が公平でない、自分で考えるようにいわれて突破口が見いだせない、威圧的に感じるなどにより前進できないでいた。両者には、認識のずれと必死になるが故のはまり込みがあった。 本研究全体を通じて、臨地実習で学習が停滞し学習困難な状況下では、学生は素直になれない、言葉で表現できない、自分で考えられない状況にあったが、教師は実習の内容として現れた言動や記録により問題を探る、考える、評価する等の行動をとっていた。これらから、看護として身につけるべき実習内容の指導のみでなく、学生の防衛機制や巻き込まれ、劣等感などの力動関係を踏まえた指導について、考える必要があると考えられた。
|