2013 Fiscal Year Research-status Report
看護学生の不安全行動減少と注視点に着目した安全教育効果の検証
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25670936
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Aino University |
Principal Investigator |
松本 珠美 藍野大学, 医療保健学部, 講師 (30454739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関永 信子 藍野大学, 医療保健学部, 講師 (60530095)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護技術 / 看護学生 / 看護教育 / 視線運動 |
Research Abstract |
パイロットスタディ:看護師3名を対象にパイロットスタディを実施した。事例に基づいて設定した模擬患者使用の模擬病室において対象者の背部清拭時の行動をVTRで、視線運動をアイマークレコーダで記録した。看護師の事例設定時における背部清拭援助における行動や動作を項目化し、注視点を観察点と定義してその場所を特定するとともに、観察の際の視線行動を分析した。 本調査:パイロットスタディにおいて項目化した看護師の事例に基づいた背部清拭における行動や動作と注視点を基準として、看護学生の援助時の行動および注視点(観察点)を比較分析した。分析時、不安全行動についてスリップと考えられる状況は除外し、「患者に害を及ぼす可能性のある援助時の行動や動作」と定義し分析を実施した。 看護学生の対象は13名で、2年生2名、3年生11名であった。2年生は基礎看護学実習Iにおいて患者とのコミュニケーションの経験はあるが、大学の授業以外で患者に接し、実際に援助を実施するのは初めての機会であった。3年生は各専門実習に出る直前の調査であり、基礎看護学実習IIにおいて簡単な援助を経験している状況であった。調査の結果、2年生、3年生ともに不安全とみられる行動(動作)があり、注視点については看護師と看護学生について注視点と注視時間が異なり、基準との不一致がみられた。看護学生は注視点の定まらない学生から定まっている学生まで見られたと当時に、不安全行動の多い学生からそうでない学生まで個人差がみられた。 今後の計画は教育によって学生の不安全行動や注視点の不明確さが減少するかどうか、教育効果の検証を実施することである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の調査予定はパイロットスタディにおいて看護師の事例設定患者に対する援助場面における安全行動と視線運動を明らかにし、看護学生の分析を実施する際の基準を作成することおよび、看護学生の事例設定患者に対する援助場面における不安全行動と視線運動に対する実態調査であった。 現在のところ、パイロットスタディを終え分析の基準を作成し、看護学生のデータの分析を実施しており、平成26年度は実際に対象者に看護教育を実施し、その効果を確認する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.調査予定では対象者は対応のある看護学生を設定していたが、諸事情により対応のある対象者への調査が不可能になったため、新たな調査対象で調査を実施する必要が生じ、計画に若干変更が生じた。 2.安全教育に関して「自己の不安全行動に対する自覚を促す教育」と「教科書レベルの講義形式」とを比較する予定であったが、その内容を変更する必要があると思われる。なぜなら対象者の技術は非常に個人差が大きく、3年生では特に不安全行動の多い学生から少ない学生まで、および注視点の定まっている学生から定まらない学生まで、多種多様であったため、本人の不安全行動に対する自覚を促す教育が効果があるだろうことは容易に推察できる。そのため、普段の看護技術教育にできるだけ近い方法を選択する必要性が生じ、①一般的なVTRによる技術指導および②対象者本人の援助時のVTRを確認することによる技術指導という、2種の教育後の結果を知る必要があると考えられた。 現在の看護技術教育は講義形式の指導だけでなく、映像を追加してなされる技術指導が主であり、映像を付加した指導で効果を上げてきた背景がある。 そのため、上記のように教育内容を一部変更する予定である。 3.事例設定した患者の背部清拭に対する調査で、学生の教育効果を確認するには、事例を集めて検証する必要があり、別の場面を設定した「輸液療法中の患者の移乗援助における看護学生の不安全行動と視線運動」については本調査とは別の機会に再調査することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査のためのアイマークレコーダの費用が平成26年度は50万円、平成27年度も50万円で合計100万円が必要である。 対象者への謝金および研究分担者とともに分析を進めるため、インターネットに接続しないパソコン、そして対象者の安全教育用に動画を再生する機器が平成26年度に1台ずつ必要である。 アイマークレコーダ平成26年度50万円、平成27年度50万円 対象者の謝金2000円×2回×10人で合計4万円 データ分析用ノートパソコン 1台10万円 動画再生用機器 9万円 国内学会旅費・宿泊費5万円 学会参加費用1万円 図書などの消耗品費用 6万円
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