2015 Fiscal Year Annual Research Report
術前ストレス対処力と術後せん妄やPTSDの関連検証とせん妄予測や看護支援の開発
Project/Area Number |
25670956
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
村田 洋章 国際医療福祉大学, 保健医療学部, その他 (10581150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 尚美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (00299843)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | せん妄 / 意思決定支援 / QOL / CAM-ICU / アセスメントツール評価 / 睡眠 / ICU |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「ICU日本語版せん妄アセスメントツール(CAM-ICU & ICDSC)の信頼性・妥当性の検証」と、「ストレス対処力と術後せん妄との関連検証」を主目的に遂行した。さらに、ICUでの療養環境(睡眠状況)がせん妄のトリガーあるいは助長要因の可能性があると考え、まず「ICU日本語版睡眠アセスメントシート」を作成した。 研究結果は、「CAM-ICUの信頼性・妥当性の検証」では、感度78%,特異度が95~97%でありせん妄アセスメントツールとして良好な結果であることを提示出来た。また、日本語版ICDSCの検証においても良好な検証結果を提示出来た。 また、「ストレス対処力と術後せん妄との関連検証」においては152名の対象者に調査を施行した。分析途中結果を以下に提示する。対象者は91名(68.0±11歳、男性64名・女性27名)の段階では、せん妄発症患者は21名であった。せん妄を目的変数にした多重ロジスティック回帰分析の結果、有意な関連が見られた説明変数は、年齢と「手術への受け止め」であった。「手術への受け止め」については、選択肢が1つ消極的になるとオッズ比で2倍以上発生率が高くなっていた。また、術前SOCと術後せん妄には有意な関連はみられなかったが、SOC を支える3構成要素の1つである「有意味感」は、術後せん妄発症患者にはやや低い傾向(P: 0.064)にあることが分かった。本結果から、心臓血管手術チームは、術前患者に対して有意味感がスクリーニングに使える可能性を今後も検討しつつ、手術に積極的になれるような支援の重要性が示唆された。 また、「ICUでの日本語版睡眠アセスメントシート」に関する研究は、2016年度9月に開催される国際学会で発表予定である。 本研究の施行で、日本におけるせん妄評価の担保が可能となった。さらに、術前患者に対するケアの方向性を示すことが出来た。
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[Journal Article] Reliability and validity assessment of the Japanese version of the Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit (CAM-ICU)2015
Author(s)
Koga, Y. Tsuruta, R. Murata, H. Matsuo, K. Ito, T. Ely, E. W. Shintani, A. Wakamatsu, H. Sanui, M. Yamase, H.
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Journal Title
Intensive Crit Care Nurs
Volume: 31
Pages: 165-170
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research