2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25670962
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
江守 陽子 筑波大学, 医学医療系, 教授 (70114337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 亜津子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10550733)
小泉 仁子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20292964)
村井 文江 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40229943)
山海 千保子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (90438101)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 妊婦 / 口腔内環境 / 感染予防 / う蝕予防 / 口腔衛生 / う蝕関連菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は効果的な口腔衛生教育に向けて(1)妊婦の口腔内環境の実態と、う蝕関連菌の保有に関連する要因を明らかにした。さらに、(2)妊婦のう蝕関連菌と周産期アウトカムの関連を検討した。 調査対象は「A」医療施設に通常の妊婦健康診査を目的に来院した妊娠28週以降の初妊婦とした。自記式アンケート調査による対象妊婦315名の平均年齢は30.7±4.2歳であり、平均妊娠週数は27.9±6.6週であった。口腔内環境の実態調査とアンケート結果より、歯ブラシを鉛筆持ちし、1本1本の歯を意識し、5分以上かけて丁寧に歯みがきをし、きちんと磨けている自信を持つことは、う蝕菌比率の低下と関連があった。また、規則正しい生活習慣、抑うつ、落ち込みのない精神状態もう蝕菌比率の低下と関連があった。 したがって、妊娠期の早い時期に口腔内のアセスメントとともに、適切な衛生教育と歯みがき指導によってう蝕菌を減らす可能性が示唆された。また、妊婦のう蝕関連菌と周産期アウトカムの関連では、GBS陽性の妊婦は陰性の妊婦よりもう蝕菌比率が有意に低い結果を得た。しかし、周産期アウトカムと口腔内環境の関連では、分娩時週数や出生児体重との関連は認められなかった。 昨年度を含めた2年間の研究成果をまとめると、すべての妊婦が妊娠の早い時期に、以下の4点について教育を受け・歯磨きを実践することによって、妊婦の口腔内環境が改善され、それによって、次世代への感染リスクを低下させる可能性が示唆された。①口腔衛生を良好に維持する必要性について情報を得ること、②ブラッシング方法などの適切な口腔ケアについての指導を受けること、③歯科健康診査または歯科受診等で口腔内のアセスメントを受けること、④適切な口腔ケアを継続して実践していること。
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