2013 Fiscal Year Research-status Report
パートナーからの暴力被害妊婦の周産期アウトカム改善に向けた新ケアプログラムの開発
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25670964
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松崎 政代 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40547824)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 助産学 / 妊婦 / 暴力 / 質的研究 / 生活習慣 / 精神的ストレス |
Research Abstract |
実施概要:パートナーからの暴力(Intimate Partner Violence: IPV) 被害妊婦の生活習慣とメンタルヘルスに焦点を当てたケア開発を目標に、平成25年度はIPV被害女性と女性相談員への個別インタビュー調査を実施し、IPV被害女性の生活習慣・精神面の実態とその関連要因を明らかにした。そしてIPV被害妊婦の生活習慣・精神面の実態とその関連要因、更に健康アウトカムへの影響を量的に検証するため、質研究の結果を基に調査プロトコール・質問紙の作成、倫理申請、フィールド調整などの調査準備を行い、縦断観察研究を開始した。現在フィールド調査中である。 2.研究成果:1)インタビュー調査:平成25年2月~6月にIPV被害女性5名・女性相談員4名への半構成面接を実施した。インタビュー内容は録音、逐語録を作成し、内容分析の手法を参考に、コーディング、サブカテゴリー、カテゴリーを抽出した。その結果、【食事量の低下】【睡眠障害】【活動量の低下】【飲酒量の増加】【抑うつ症状】【低い自尊感情】などIPV被害女性の全体的な生活習慣・精神面の悪化が明らかになった。またそれらの生活習慣・精神面は、社会サポート欠如、経済的困難などと関連していることが示唆された。2) 縦断観察研究:インタビュー調査の結果を基に調査研究のプロトコールと質問紙を作成し、その方法・内容について倫理委員会の承認を得た。その後、フィールド施設(都内総合病院の産科外来)での調整を行い、調査研究実施の承認を得た。平成25年7月より病院の産科外来にて妊娠末期・出産直後・産後1か月の3時点での自記式質問紙・診療録を用いた縦断観察調査を開始、現在調査継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の25年度の計画は、インタビュー調査の実施・分析、調査研究の計画・開始であった。現時点でインタビュー調査の実施・分析を終了し、論文をまとめている。また、調査研究の計画・倫理審査・フィールド調整を経て病院での縦断観察調査を開始・進行していることから、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年7月から産婦人科外来での妊婦を対象とした縦断観察調査は、対象者も順調にリクルートできており、このまま調査を継続する。調査の終了時期は、平成26年6月頃を予定している。調査終了後は、データ入力後、統計解析ソフト(SPSS, AMOS)を用いて、妊娠中のIPVと生活習慣・精神面の実態とその関連要因、更に健康アウトカムへの影響を探索する予定である。またインタビュー調査に関しては、次年度は論文を執筆、学術雑誌に投稿予定である。
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