2013 Fiscal Year Research-status Report
母親の「母乳育児の意思」に基づいた母乳育児継続に向けた包括的支援プログラムの開発
Project/Area Number |
25670966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
嶋 雅代 福井大学, 医学部, 助教 (50633385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上澤 悦子 福井大学, 医学部, 教授 (10317068)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 母乳育児 / 意思 / 感情 |
Research Abstract |
今年度の計画:母乳育児に関する『肯定感』と『負担感』というアンビバレントでかつ多様な理由について質問紙調査を行い、『母乳育児の理由』と『母乳育児の意思』の関係とその関連要因について検討を行う。 研究方法:平成25年4月~12月、研究協力の同意が得られた9産科施設で、1ヶ月健診を受診した母親を対象に、自記式質問紙を産後1ヶ月健診で渡し、郵送回収した。調査内容は母乳育児を「したい、続けたい」「したくなくなる、やめたくなる」それぞれの理由についての自由記述、および母児の背景である。分析はIBM SPSS Text Analytics for Surveys 4及びIBM SPSS Statistics Ver22を使用し、テキストマイニングを行った。本研究は、所属大学の研究倫理審査委員会の承認を受けた後に行った。 結果及び考察:2000名の母親に調査用紙を渡し、726名から調査用紙を回収した。うち、欠損値が多い2名を除いた724名を分析対象とした(最終有効回答率36.2%)。母乳育児における『肯定感』のコンセプト(語彙)数は1143で34カテゴリー、『負担感』のコンセプト数は1346で35カテゴリーが抽出された。また、『肯定感』『負担感』別に主成分分析し、主成分得点を説明変数、『母乳育児の意思』を目的変数として、「母乳育児群」と「毎回人工乳補足群」で重回帰分析した。その結果、母乳育児中の母親の「母乳育児を継続したい」という『母乳育児の意思』に正の影響を及ぼすのは、母乳育児の利点や利便性だけではなく、児とのふれあいや児への感情であることがわかった。一方「毎回人工乳補足群」は、母乳育児中の児の反応や表情を楽しんだり、児に応答したりする余裕がなく、母乳育児が「快いものだ」という実感を持てないことにより、「母乳育児を続けたい」という『母乳育児の意思』が高まらないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたよりも多くの施設および母親の研究協力を得ることができ、分析に十分なデータを収集することができた。とりわけ、先行研究では収集することが困難であった母乳育児の『負担感』について広く母親たちの意見を聞くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の調査結果を踏まえ、現代の母親たちが母乳育児の開始や継続、終了などの意思を決定する際、何を重要と考えて母乳育児に臨んでいるのか、母親自身で主観的に評価できる『母乳育児の理由』尺度を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査協力施設への謝礼が済んでいないため。 調査協力施設への謝礼に使用する。
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