2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670975
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
宮崎 史子 大分大学, 医学部, 准教授 (10315195)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小児看護 / 子どものレジリエンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、小児期に慢性疾患をかかえ長期間入院生活送る患児のレジリエンスの構成要素ならびに構造を明らかにし、概念構築を行うことである。そしてさらに、患児が入院生活を送る中で前向きに獲得あるいは発達する能力を支え・育む看護実践について検討することである。 初年度である平成25年度は、国内外の本研究テーマに関連する文献収集レビューを行い、研究動向を概観するとともに「子どものレジリエンス」の概念分析を行った。「子どものレジリエンス」についての日本での看護研究は2006年より散見するが数は少なく、その概念の用法は多様であり曖昧な部分もある。そこで、現存するレジリエンスに関する研究の「子どものレジリエンス」について、概念構築の背景、関連概念との相違について明確にし、概念の構成要素と概念構造について更なる検討を進めている。概念分析は、Walker & Avantの手法を参考に行った。 「子どものレジリエンス」に関する研究は1970年頃より欧米で行われており、その始まりは、Garmezyによる、精神障害をもつ親に育てられた子どもの精神障害発症にかかわるリスク研究である。これ以降、何らかの逆境をもちながらもそれを乗り越え社会適応しながら健やかに成長発達している子どもについて、そのことを『レジリエンス』として研究が行われるようになった。定義については、今日の日本の研究では「困難で脅威的な状況にもかかわらず、うまく適応する過程・能力・結果」として用いられることが多く、レジリエンスの状態を導く心理特性(定義における能力)に着目して尺度開発がされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「子どものレジリエンス」についての概念分析をWalker & Avantの手法を参考に行い、先行要件、属性、帰結を導き出すことで、現存の概念の構成要素とその構造を明らかにすることを進めているが、「子どものレジリエンス」をどのように捉えて研究を行ったのかなどについて明確に示されていない場合もみうけられ、更には元々「レジリエンス」というこが曖昧性、多義性があるため、分析に時間を要している。しかしながら、これらのことを明確にすることは、的確な今後の調査計画、ならびに調査データの分析に大きく影響するため、今後、迅速に進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は以下のように進める。1.「子どものレジリエンス」関する概念分析を終え、調査計画を立案する。2.調査計画に沿って、参与観察ならびにインタビュー調査によりデータ収集を行う。なお、関与観察を行う対象者は、小児(科)病棟に長期(1か月以上)にわたって入院中の幼児後期の患児1名~3名、面接調査を行う対象者は、小児(科)病棟に長期(1か月以上)にわたって入院している学童期および思春期の患児3名~5名とする。3.収集したデータを質的帰納的に分析する。4.適宜、文献による検討を行う。
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