2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25670987
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 良子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10275498)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 恵美 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10431595)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 高齢者 / 自律神経活動 / 早期離床 |
Research Abstract |
本研究は、リスクの高い高齢者の早期離床、早期リハビリテーションを安全・安楽に行うために必要な生理学的指標の有効性を明らかにすることを目的としている。早期離床、早期リハビリテーションのもたらすメリットもあるが、心房細動、不整脈など循環動態の変化が生じるデメリットも考慮されなければならない。今年度は、ベッド上で体位変換時にどのような循環動態の変化が生じるのかについて、基準となる若年健康成人と健康な高齢者をを対象に仰臥位から側臥位に体位を変換した際の血圧、心拍数、自律神経活動の変化について評価した。高齢者は加齢による変化が生じており、血圧、自律神経活動のベースには加齢による血圧の上昇、交感神経活動増加と副交感神経の低下が生じていることを確認した。しかし若年成人、高齢者とも仰臥位から側臥位への体位変換時に心拍数の減少が観察でき、特に左側臥位では有意差を認めた。これらの結果は健康な対象者でも年齢に関係なく体位変換による循環動態の変化が生じている可能性を示唆している。今後さらに冠動脈疾患手術の高齢者、若年者を対象に健康成人の結果と比較検討する予定である。また、研究成果については国内外の学会において積極的に公表するとともに論文の作成を開始する。本研究により患者の持つリスクを事前に把握し、術後患者の不利益な心房細動、不整脈、血圧低下などの症状を減少させることが期待され、その人に合った離床、リハビリテーションの時期を見極める指標となる可能性があるものと考える。2060年には後期高齢者が総人口の25%を超えるとと即されるわが国において本研究は高齢化社会に十分貢献できるものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に予定した通り、健康な高齢者及び若年成人の体位変換時の循環動態の測定を終了した。今後、疾患を有する対象者に同様に測定を実施し、健康褻対象者との比較を行い、目的とする高齢者の離床に伴うリスクを見出し、離床を安全・安楽に行うための指標の有効性を明らかにしたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25 年度の研究成果を国内外の学会発表し、それらの議論を元に必要に応じて評価に関する修正を行う。健康な高齢者、若年成人の対象者数は確保できたと考えているが、疾患を持つ高齢の対象者を研究協力者と選定し、対象症例数を増やし研究の信頼性をあげたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
測定等、研究計画で予定していた計画通りに進行したが、使用している器機類のメインテナンスに経費がかからなかったため、若干の残額が出た。 研究最終年度となり、結果の公表等が必要であり国内外の学会への報告、論文投稿に対する支出が見込まれ、当初の計画通りに実行できる見込みである。未使用金は平成26年度分と合わせて使用する。
|
Research Products
(3 results)