2014 Fiscal Year Research-status Report
在宅褥瘡管理のための認定看護師を中心とした都市部での地域連携システムのモデル構築
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25670991
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Research Institution | Bunkyo Gakuin University |
Principal Investigator |
遠藤 貴子 文京学院大学, 保健医療技術学部, 准教授 (10315575)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 褥瘡 / 在宅 / 地域連携 / モデル構築 / 認定看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
在宅褥瘡管理においては、各ケースにかかわる多職種や医療機関・介護施設の果たす役割は、その地域性に根ざす部分も大きい。そこで初年度の研究計画は、現場がどのような状況であるのかを知ることを目的とし、現状把握を設定していた。 日本褥瘡学会の第15回学術集会では、在宅褥瘡管理にかかわる発表が盛んに行われていたため、学会での講演聴講により最新の情報収集を行った。「地域医療における在宅褥瘡ケア」というテーマで行われた講演の中では、褥瘡ケアの連携で大切なこととして、円滑な人間関係の形成、目標共有からチームワークが醸成されること、知識・技術水準の向上を常に図ることの重要性、役割・責任を明確化した上での協働の必要性が挙げられた。これらはどの地域においても通用する連携の原則であり、全ての職種が心に留めておくべき項目であった。また、どの発表においても、多職種によるチーム形成のためには、顔の見えるコミュニケーションが必須であり、そのための工夫として同行訪問を行ったり、ケアカンファレンスを開いたりしており、これが療養者や家族を中心としたチーム内での目標共有につながることが示されていた。 次に、本研究のモデル地区になり得ると想定している東京都某区で行われている看護師ネットワークの交流会に参加し、情報を得た。この会は、当該区で働く看護職間のよりよい連携と交流を目指して活動する自主グループであり、看護のさまざまな分野に関する勉強会を行うことで知識を深めながら、日頃からの関係作りを推進するという目的をもった会であった。この会の事務局も務めている皮膚・排泄ケア認定看護師の方と打合せを行い、当該区の状況に関する聞き取りをさせていただいた後、本研究に関する協力依頼を行い、快諾を得た。今後、調査内容に関し詰めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究のモデル構築の予定地区である一地区において、在宅褥瘡管理のための地域連携に関するニーズ把握のための調査をするところまでを、現状把握の一環としての初年度の計画としていた。そこで、実際の調査開始にあたって倫理審査委員会の承認が必要であったが、研究代表者の異動に伴い、その申請が遅れてしまったことが、全体としての進捗状況が遅れた第一の要因である。 また、モデル予定地区の皮膚・排泄ケア認定看護師の方と打合せをする中で、当該地区の状況についてさらに詳しく情報を得たところ、本研究の申請段階では想定していなかった状況が伺えた。つまり、当該地区では、そこで働く看護職間のよりよい連携と交流を目指して活動する自主グループがすでに組織されており、日頃からの関係作りが進んでいること、そして、看護のさまざまな分野に関する知識を深めるために継続した勉強会を行っていることなど、常によりよいケア提供を志す看護職全体のモチベーションの高さが伺えたというプラスの誤算である。さらに、地域連携においては、守秘義務が求められる患者情報について多職種間で情報共有する必要性があり、その情報管理の方法が一般的に大きな問題となることが多いが、当該地区においては、患者情報をネットワーク管理し、関連する専門職がその都度情報共有できるようなシステムの導入が図られていることが判明した。このような現場の実態に合った調査内容に、当初の計画を修正する必要性が生じ、計画時点よりも遅れた形での進捗状況となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、年度をまたぐ形で、在宅褥瘡管理のための地域連携に関するニーズ把握のための調査内容の洗練を図っている。これは、現場の実態に沿った内容に修正するために必要な段階であると考える。 その上で、当初の2年目の計画であった介入の段階に進む予定である。つまり、ニーズ調査をもとに、研究代表者および研究協力者が中心・調整役となり、実際の褥瘡管理困難ケースについての対応を検討し、必要なケア・サービスの導入を進めていくという段階である。具体的には、ニーズ調査の中で挙がってきた褥瘡管理困難ケースのうち、多職種によりケア・サービス提供が必要とされるケースについて、複数の医療・介護従事者間でまずは情報共有する。これらの過程においては、地区における勉強会を開催し、地域連携に詳しい講師によるエキスパートオピニオンを参考に進めていく予定である。そして、各ケースに関し、これらのケースに関与すべき医療機関や介護施設で連絡を取り、対象ケースを診ていく体制を作っていく。このとき、研究協力者である皮膚・排泄ケア認定看護師が調整役となる。また、適宜各ケースに関してケアカンファレンスを行い、職種間の連絡調整以外の点においても、連携に際し不足していると考えられる状況が何かについて随時考察し、連携の評価を行いながら、体制を整備していく。以上のような、連携の体制の形成から整備の段階までに実践した内容について、また、それらを実践できた背景や、反対に必要と思われるケア・サービス提供に至らなかったケースの状況についてもまとめ、地域連携システムのモデル構築にあたっての考察とする。
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Causes of Carryover |
本研究は2年継続で行う研究であり、現在年度をまたいで、在宅褥瘡管理のための地域連携に関するニーズ把握のための調査の準備を進めている。この実施年度がずれ込んだことが、次年度使用額が生じることとなった主な理由である。つまり、調査にかかる謝金や交通費、消耗品等が全て、次年度にずれ込むこととなった。 また、研究に際して必要であるノートPCにかかった代金が、当初計画で見込んでいたよりも安価に済んだため、その分も次年度使用額に吸収された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の推進方策は当初の計画と変わりはない。そのため、研究費の今後の使用計画としては、調査に伴う施設に対する謝金、調査に伴う研究補助者に対する謝金、勉強会開催にあたっての講師に対する謝金、講師に対する交通・宿泊費、会議費、通信費が主な用途である。また、精密な情報管理が求められる研究実施にあたっての物品として、外付けのHD等のPC関連物品やシュレッダー、プリンタのインクカートリッジ代、コピー用紙などの文房具代、また、最新の情報を得るための書籍代や学会参加費、交通費、成果発表のためにかかる費用等も必要である。
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