2016 Fiscal Year Annual Research Report
A nursing approach that leads to "Developing motivation for life" for persons with depression who attempted suicide
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25670993
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自殺 / うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、自殺企図を行ったうつ病あるいは双極性障害をもつ人を対象として、ナラティヴ・アプローチを用いて継続的にかかわり、対象者が「生への意欲」を取り戻す過程における語りの変化を明らかにすること、またその過程における看護者の関わりを明らかにすることであった。 対象者は女性5名(40代~70代)、面接回数は3~8回であった。対象者の語りを分析した結果、1)死への執着があり不安や孤独感が強い時期には【死への執着】【自殺前と変わらない孤独感】【先がみえない不安】【現実に直面することによる自信喪失】の4つのカテゴリー、2)自殺念慮が緩和し生きることを肯定し始めた時期には【生きることに気もちが向く】【生への意欲の芽生え】の2つのカテゴリーが抽出された。くり返し面接を行う過程において、参加者は、死への執着が強い状況から、「自信はないが、(自殺は)しないようにしようとは思えてきている」「楽しみを見つけて頑張っていこうと思う」というように希死念慮が緩和し、思考に変化がみられた。しかし、同時に「この先、あまり楽しいこともないだろうなと思う」、「私はいつ自殺するかわからない人間」という諦めの気持ちも抱いており、揺れ動く状態が表現された。 看護者は、参加者が考えや気持ちを表現できるようにゆっくり待つ姿勢を示した。面接2回目以降は、参加者が多面的な見方ができるよう、また変化を自覚できるよう問いかけた。 参加者は自己や家族を受け入れようと変化していること、今後起こると思われる問題に自分なりに対処していこうという前向きな気持ちと、今後の生活に対する悲観的な気持ちを併せもっていることが語りから明らかになった。看護者は自殺企図に至ったうつ病者の揺れ動く気持ちに寄り添い、肯定的に思考を変化させて希望を見出せるよう長期的にサポートしていくことが重要だと考えられた。
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Research Products
(1 results)