2014 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における生体リズムに基づいた介入モデルの構築ー光環境に着目してー
Project/Area Number |
25670994
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
若村 智子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40240452)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 曜子 梅花女子大学, 看護学部, 教授 (50381918)
飯降 聖子 滋賀県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80335843)
任 和子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40243084)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 生体リズム / 高齢者 / 睡眠 / 光 / 季節性変化 / 自殺対策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本海側地域に住む高齢者の睡眠、気分、生活の季節性変化を明らかにすることを目的とした。冬に日照時間が減少することや、降雪により外出機会が減少することは、受光量・運動量・社会的接触の減少につながり、それらが睡眠や気分に影響を及ぼす可能性がある。調査地域は、京都府の最北部に位置する京丹後市を実施場所とした。京丹後市は日本海側地域に位置し、冬の日照時間が京都市に比べ短い。調査方法は、睡眠の質:PSQI-J(ピッツバーグ睡眠質問票日本語版)および、感情:POMS(感情プロフィール検査)短縮版、生活リズムの実態:都神研式生活習慣調査質問紙を参考に、今回の調査目的に合わせて作成した質問紙を用いた。調査スケジュールは、季節による変化を正確に把握するために、平成25年の夏と平成26年の冬に2度、同じ調査を協力者に依頼し実施した。京都大学大学院医学研究科医の倫理委員会の承認を得て行った。統計解析には、t検定、マクネマー検定、重回帰分析(ステップワイズ法)を用いた。男性57人、女性92人、平均年齢72.7±7.1歳(56~89歳)を解析対象とした。解析の結果、夏に起床時刻が早くなり、睡眠時間が短くなったが、暑さなどで睡眠効率が低下していた。冬には人と会話する頻度が減少し、屋外にいる時間が短くなっていた。精神疾患や介護をしている人は、冬に睡眠の質が低下する危険性が示された。住民に対して、睡眠を切り口に対話すると、睡眠以外の健康や生活全般に関わる重要なお話を聞くことができた。このことを通して、睡眠について個別に関わる重要性が示唆された。睡眠の客観指標の1回目の返却時に気にかかる人が、2回目の測定を断るケースがあった。測定の限界であると同時に、このような「少し気にかかる」情報を共有することがあらたな介入の「きっかけ」を作る可能性があることが示唆された。
|
Research Products
(2 results)