2015 Fiscal Year Annual Research Report
精神科病院における倫理的組織風土を醸成する看護部変革プログラムの開発
Project/Area Number |
25671002
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
荻野 雅 武蔵野大学, 看護学部, 教授 (60257269)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神科看護 / 看護倫理 / 組織風土 / 継続教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、精神科に従事する看護師の倫理的感受性と倫理的問題の解決能力の向上を目標とする精神科看護倫理教育に、病棟そのものの倫理的風土を醸成する方法を取り入れた精神科看護倫理継続教育プログラムの開発を目的としている。 前年度は教育目標として①看護師の倫理的感受性と倫理的問題の解決能力の向上とし、組織風土を変革するエンハンスメントアプローチを取り入れた、計5回の精神科看護倫理教育プログラムを開発し、A総合病院精神科病棟で実施し、その有効性を検討した。その結果、看護師の倫理的問題に対する意識や認識には変化がなく、組織風土に“話し合う”という変化は生じたが、倫理的風土が高まったとはいえず、プログラムの目標を十分に達成できたとは言えなかった。 そこで今年度はプログラムをさらに洗練させた。教育目標を①看護師のケアの倫理に基づいた倫理的感受性、看護倫理観の育成に加えて、②看護師個々がケアの倫理を実践できる風土を醸成する方法を習得こととした。開発したプログラムは、複数の精神科病院の看護師を対象に実施し、その有効性を検討した。 その結果、医療者に安全や責任が求められる現在の医療の現場では、患者に寄り添いその意思を尊重するよりも、患者の安全を守ることに重きが置かれている現状があり、患者の意思を尊重したいと思っている看護師はそのことができない自分に罪悪感を抱き、内省することに困難を感じていた。一方でケアする雰囲気がプログラムの回を重ねることに出来上がり、参加者から受け入れられることにより、参加者の内省が進んでいった。結果として、開発したプログラムにより、参加者のケアリングの意識が高まった。
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