2014 Fiscal Year Research-status Report
BMIの推移から見る虚弱高齢者における終末期の特徴と適切な栄養量の検討
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25671003
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Research Institution | Tokyo Ariake University of Medical and Health Sciences |
Principal Investigator |
川上 嘉明 東京有明医療大学, 看護学部, 准教授 (20582670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 樹海 東京有明医療大学, 看護学部, 教授 (80291574)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自然死 / 高齢者 / 看取り / 終末期 / BMI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、まず病院以外の場で死に至った虚弱高齢者について、数か月から年単位にわたる体重、摂取栄養量、飲水量のデータを収集し、その長い経過の中でのそれらのデータの変化を明らかにすることにある。2015年3月末までに、経口から摂れる食事や水分のみで死に至った高齢者約150症例のデータを得ている。その高齢者について得られたデータから、死の時期に近づくにつれ体重が減少するだけでなく、低体重(やせ)が顕著になってくることが体重と身長から得られたBMI(Body Mass Index 体格指数)によって明らかになった。そして、死の1年前のBMIとそのさらに6ヵ月前のBMIを比較すると顕著に低減していることが明らかとなっていた。死の時期とは思われない死の1年前においても、すでにその6ヵ月前とのBMIを比較することによって、死への変化の客観的事象が見えてくると考えられる。 次に、そうした死に至る経過における栄養量について明らかにすることが、本研究の目的でもある。死に至る高齢者はその4年ほど前からBMIが徐々に低減することが見えてくる。しかし、摂取されている栄養量については大きな変化はない。摂取量が顕著に減るのは、死の前6ヵ月くらいからである。つまり死に至る高齢者は、体重またはBMIは低減していく傾向があるものの、死の前の6ヵ月より前においては摂取している栄養量に変化は見られないことが分析されつつある。 今後、BMIの低減と摂取栄養量の変化の関係から、BMIの低減に応じた適切な栄養摂取量が明らかにされるかどうかを分析・考察する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ収集をしている対象施設において、データ入力管理をするシステム変更を行ったため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ必要なデータ量が収集されており、今後はデータの整理、分析、そして論文投稿、学会発表等を行う。
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Causes of Carryover |
データ収集の対象としていた施設内において、研究に必要とするデータの入力に関するシステム変更がなされたため、そのデータを取り込む新たなソフトウエアが必要となり、その開発・設置によって計画が遅れた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集をしている対象施設への旅費、および投稿する論文の英文化等に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)