2014 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者に対しタクティールケアを施術する家族自身に及ぼすリラックス効果の検証
Project/Area Number |
25671004
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
小泉 由美 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (70550763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 由美子 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (90566861)
久司 一葉 福井県立大学, 看護福祉学部, 講師 (00550782) [Withdrawn]
酒井 桂子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (40566858)
坂井 恵子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (60454229)
松井 優子 金沢医科大学, 看護学部, 准教授 (00613712)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | タクティールケア / 認知症高齢者 / 家族介護者 / 施術者 / リラックス効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
タクティールケアはソフティッシュマッサージとして開発され、認知症高齢患者の行動心裡症状の緩和や情緒の安定などの有効性、および、ケア施術者にもリラックス効果が主観的評価ではあるが報告されている。ケアの質維持のために、一定の圧力や速度・手法を習得する必要はあるものの、特定のツボや筋肉を意識する必要はないことから、解剖生理学的な知識や特別な道具や熟練した技術がなくても施術可能である。本研究では、認知症高齢者の家族介護者の介護技術としてタクティールケアを導入し、介護負担の軽減に向けた認知症家族介護者支援プログラムの開発を目的としている。 第一段階として、タクティールケア施術者のリラックス効果を客観的に検証した。日常的にタクティールケアを実践している者20名を対象に、「コントロール」として30分間の座位、その後「施術」としてタクティールケアを30分行い、生理的指標として自律神経活動、生化学的指標として唾液中の分泌型IgAや酸化還元電位等を、心理的指標として二次元気分尺度を用いて比較した。結果、自律神経活動は、施術中において有意に副交感神経活動が活性化し交感神経活動は低下した。唾液や気分に関しては、施術後に有意に分泌型IgAの増加および酸化還元電位における酸化度の低下、二次元気分尺度での活性度や安定度、快適度が高くなった。以上よりタクティールケア施術者のリラックス効果が客観的に検証できた。研究成果は日本看護研究学会第40回学術集会にて報告し、同学会の学会誌に投稿論文の作成中である。さらに、タクティールケア実践者12名を対象に、施術中の体験を質的記述的に分析し、12月の日本看護科学学会で報告する準備を進めている。 第二段階として、家族介護者の指導に向けての物品準備、認知症外来受診に付き添う認知症高齢者の家族介護者に研究協力を依頼するための主治医への説明、共同研究者との調整を行っている。
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