2014 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者の親をもつ子どもの青年期の生活状態に関する研究
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25671006
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
田野中 恭子 佛教大学, 保健医療技術学部, 講師 (50460689)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神障害者の親 / 子ども / 教員 / 養護教諭 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究報告 平成25年度に、精神に障害のある親とその子どもへの支援が進んでいるドイツを訪問した際に得た知見の一部を第73回日本公衆衛生学会(2014年11月開催)にて報告した。その後、論文としてまとめ、佛教大学保健医療技術学部論集(2015年3月発行)に投稿し掲載された。 2.調査経過 精神に障害のある親をもつ子どもへの支援を検討するために2つの方向から現状の課題を調査している。【研究1・精神に障害のある親をもつ成人の就学以降に必要とした支援】子どもの頃に精神に障害のある親をもっていた経験のある成人8名に半構造化面接を行った。質問内容は小学校入学以降の「生活や気持ち」、「助けとなった家族内外の関わり」、「必要とした支援」等である。【研究2・精神に障害のある親をもつ子どもへの支援】学校の教員や養護教諭9名に半構造化面接を行った。内容は該当するケースへの支援内容や支援を進めるために必要な工夫、教員研修等で知りたい点等である。 調査を通して、精神に障害のある親をもつ子ども達は、親の状況や家庭生活、子ども自身の困っていること等を家族以外の人に話すことはほとんどなく、食事や衣類の準備、保清、学校の準備等、手探りの中で行っていた。そのため、家事全般や人とのコミュニケーション等が社会で通用するものなのか自信がもてないまま成人している人もいた。一方、そうした子ども達に接する学校の教員は、子どもの困りごとに関心があり、どのようなサポートを子ども達は必要としているのか知りたいとのニーズが明らかにされた。今後、研究1、研究2ともに、得られたデータを質的帰納的に分析し、支援者研修会等で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、平成26年度は高校生を対象に、精神障害のある親をもつ子どものQOLについて調査する予定であったが、未成年を対象にした調査は倫理的に難しいため、子どもの身近にいる教員を対象に質的調査を行った。その後、インタビューで得られた音声データの逐語録作成まで終了した。平成26年度中にデータ分析終了を予定していたため、この点が未達成であり「やや遅れている」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.調査結果の分析と報告:【研究1・精神に障害のある親をもつ成人の就学以降に必要とした支援】および【研究2・精神に障害のある親をもつ子どもへの支援】に関して、逐語録より質的分析を行い、結果を学会や学術誌で報告していく。 2.支援者研修会の実施:1.でまとめた結果を教員研修会で報告し、精神障害のある親とその子どもの理解を促す。
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Research Products
(2 results)