2014 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児期における双子言葉(宇宙語)現象の発生予防とファミリーケアの研究
Project/Area Number |
25671015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
早川 和生 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70142594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 明子 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (00633869)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 双生児 / 言語発達 / 言語獲得 / 乳幼児期 / 生活環境 / 育児環境 / 母子関係 |
Outline of Annual Research Achievements |
双生児は、乳幼児期の言語獲得が遅れる傾向がみられることが知られている。これは、双生児の場合、二人のみで養育器の環境が近似していることから、ペアの2人のみで通じる独自の言語(Twin Language, 宇宙語)を発達させてしまうことが推察されている。本研究では、この宇宙語現象を言語保健学的に解明し、発生予防と発生機序の解明を研究主眼としている。本年度については、前年度までに収集した調査データについて主にデータを時計疫学的に解析を実施した。また、前年度で不足したデータについては、対象者を限定してデータの追加取集も実施した。 基本的な研究手法としては、かねてより研究協力を得ている日本最大の双生児家庭の互助組織であるツインマザースクラブの協力を得て実施している。これら双生児家庭への自宅訪問調査および郵送質問紙調査を定期的に実施している。 平成26年度については、研究計画に沿って、郵送質問紙調査において宇宙語現象がみられた双生児ペアのうち、東日本(東北、関東、甲信越)に在住する双生児ペアについて家庭訪問調査も前年度と同様に実施した。調査データについては、育児環境、(家族構成、母子交流の頻度、母の就業状況、家屋のレイアウト、離乳食や食事の与え方、等のデータを収集した。これら課程訪問に協力を得た双生児家庭については、親に依頼して毎週1回昼夜を問わず宇宙語現象発生時をビデオ、テープレコーダー等による記録を依頼した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究進展の成果については、計画した通りに双生児家庭の全国組織であるツインマザースクラブの協力の基に研究が進んでおり、データ収集についても計画に沿った信仰状況と考えられる。音声データの分析につては、双生児研究独自の分析方法であり、国際的にも最もよく利用されているMX解析プログラムによる分析を試みている。得られた研究結果については、学会発表や論文発表として対外的に情報発信していることから、既に海外からの研究結果に関する問い合わせも届いている。これらの事実は国際的にも高い関心と評価を得ているものと判断できよう。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の実施計画については、言語学的に学術上の貴重な現象である宇宙語現象の発生機序を詳細に解明することにより、双生児家庭における言語発達上の遅れを予防するための育児指導指針の作成を中心に研究を進める方策である。 また現在までに収集できたデータの分析を進めていることから、これら収集データの音声言語学的解析を継続して進める予定である。更に、現在すすめている宇宙語現象については、海外においても注目を集めてきており、イギリスの研究者からの詳細な分析データについて問い合わせが届いており、更にアメリカのハーバード大学の言語心理学教授であるSteven Pinker 教授からも興味ある研究として連絡が届いていることから海外の有力な研究者との連携も視野に入れて研究を推進している方策である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の所属が大阪大学から三重県立看護大学へと変更があったが、新しい所属先では、より多くの新しい研究対象者の協力が見込まれることから次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後の予定としては、新しい所属先で乳幼児期の双生児における宇宙語現象の研究を継続する中で、三重県及び周辺地域に在住する双生児家庭についてはより詳細な調査研究が可能であることから、宇宙語研究に必要な研究費を確保するため。
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Research Products
(4 results)