2015 Fiscal Year Annual Research Report
住民による地域高齢者見守り支援評価指標の国際的標準化に関する研究
Project/Area Number |
25671021
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河野 あゆみ 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00313255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金谷 志子 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (00336611)
田高 悦子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (30333727)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 地域高齢者 / 見守り / 住民ボランティア / 地域看護 / 韓国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,わが国で開発した地域高齢者見守り支援の評価指標について,海外調査を行い,その信頼性と妥当性を検証し,国際的な標準化と発信を行うことである。本研究では地域高齢者見守り支援の評価指標として,地域コミットメント尺度と地域高齢者見守り自己効力感尺度を検討することとしている。 平成27年度は,平成25年度に実施した韓国(ソウル)で暮らす住民ボランティア326名への質問紙調査結果とわが国の住民ボランティアに対する調査結果を比較検討し,解析を進め,国際学会等で発表を行った。韓国の住民ボランティアのデータセット326名にマッチングさせるために,日本の住民ボランティアのデータセット859名から無作為に326名を抽出し,統計解析を行った。その結果,韓国の住民ボランティアは日本の住民ボランティアに比べ,女性であること,一人暮らしであること,在住期間が短いこと,教育背景が多様であることなどの傾向がみられた。また,韓国の住民ボランティアの方が地域高齢者見守り自己効力感が有意に高かった一方,地域コミットメントに違いはみられなかった。地域高齢者見守り自己効力感を従属変数とした重回帰分析を行った結果,もっとも説明力が高かったのは地域コミットメント(ベータ 0.35)であり,年齢(ベータ 0.24)や国の違い(ベータ 0.17)を超えて,住民ボランティアにおいては地域へのコミットメントが高いことが地域高齢者の見守りを行うことへの自己効力感に良い影響をもたらすことが明らかになった。 以上より,わが国で開発してきた地域高齢者見守り支援の評価指標については韓国においても活用可能であり,有用性があることが示された。
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