2014 Fiscal Year Research-status Report
脳卒中患者が就労を継続していくための支援のあり方についての研究
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25671028
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
三好 智美 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (40613279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥宮 暁子 帝京科学大学, 医療科学部, 教授 (20152431)
五十嵐 千代 東京工科大学, 医療保健学部, 准教授 (20587787)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳卒中患者 / 再就労条件 / 就労支援 / 就労継続 / 雇用 |
Outline of Annual Research Achievements |
H25年度より継続の患者への聞き取り調査を行なった。対象は再就労患者4名・就職活動中の患者1名で期間はH26年4~5月、内容はH25年度と同じで、就職活動中患者へはなぜ就職活動がうまくいかないのかについて具体的に伺った。復職した患者は入院中から自分の状態を上司等に報告し、自分ができる業務内容を考えて人事等に相談していた。職場環境調整も自ら交渉し、復職に向けての準備期間を設けていた。回復期リハビリ病棟入院中に復職支援を受けた患者は1名で非常に役に立ったとのことだった。新規職場に就職した患者はPC操作技能を修得、非常勤枠で採用だった。新規職場への就職活動は非常に難しく、患者が積極的に活動しない限り支援体制は少なかった。発症前の業務に拘った患者は職場との関係性が悪くなり退職していた。就労開始までの支援がきちんと行なわれることが就労継続につながる、就労支援は復職と新規職場への2つの支援を検討する、再就労後の状況把握や支援の必要性、患者が自分の状態を客観視した上での就労開始活動を行なう、患者が情報収集や人的ネットワーク作りできることが重要であることが明らかになった。 H27年2~3月に東京都・神奈川県の従業員50人以上の企業1000社に質問紙調査を行なった。従業員50人以上にした理由は障害者雇用率の報告義務があることと産業医の雇用義務があるためである。帝国データバンクの登録企業より無作為抽出し、調査項目は企業属性、障害者雇用率、脳卒中患者雇用の有無、脳卒中患者雇用への考えや雇用上の配慮・他機関との連携、就労について脳卒中患者や家族に望むこと等である。回収率は21.3%、すべてを有効回答とした。分析等は平成27年度に実施予定である。H26年度は、患者調査結果の一部を国際リハビリテーション看護研究学会と日本民族衛生学会に口頭発表を行なった。協力してくれた患者会に学会発表の内容を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H26年度中に企業の脳卒中患者の雇用状況や雇用への考え方等の調査の分析・考察までを計画していたが、下記の理由で、調査の実施が年度末のH27.2~3月になってしまい、H26年度内には調査票の回収までしかできず、結果の分析・考察までが年度内にできなかった。遅れた理由は、H25年度に予定していた患者への聞き取り調査をH26年4~5月まで延長して実施して患者・家族への調査結果を分析後、企業への調査項目を検討したため、調査票の作成がH26.11月頃になったこと、企業への調査の対象選定が遅れたことである。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度に予定している回復期リハビリテーション病棟・就労支援施設・行政の障害者支援担当者、ハローワークへの調査準備は現在行なっているため、8月頃には調査を実施予定である。 H26年度に実施した企業調査の結果を分析・考察をして、学会へ発表予定である。 患者・家族への調査、企業への調査、病院・支援機関等の調査結果から脳卒中患者の就労継続支援システムモデル(案)を構築する予定である。システムモデル(案)を構築する際には、当事者である患者会の皆様のご意見を十分に伺った上で検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
調査のためのパソコンを購入予定だったが科研費ではなく別予算で購入したため、物品費として請求しなかったこと、学会が東京都と茨城県だったため、旅費が少なく済み、宿泊費も不要だったこと、企業調査のデータ入力を研究者が行なったことで、残高が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に実施する回復期リハビリテーション病棟の医師・看護師・理学療法士・作業療法士・言語療法士・メディカルソーシャルワーカー、就労支援センター、ハローワーク、市町村の障害者支援担当へのアンケート調査費用とデータ入力費として使用する。 3年間の調査結果から、関係者に参加してもらい就労支援・就労継続支援システム(案)を検討する会議を開く予定であり、その謝金としても使用予定である。
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