2015 Fiscal Year Annual Research Report
確率的アルゴリズムにおける乱数の果たす機能と効果の究明
Project/Area Number |
25700002
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
来嶋 秀治 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 准教授 (70452307)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アルゴリズム理論 / 離散構造 / マルコフ連鎖 / 脱乱択化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,計算における乱数の機能の究明に向け,「乱択アルゴリズムの設計」と「脱乱択化の新理論の構築」の両研究を進めている.ランダムウォークの脱乱択化に関して,H26年度までに関数ルーターモデルを開発し,混交時間(mixing time)を用いた頂点誤差ならびに計算量の解析を行ったが,本年度はこの研究を発展させた総変動距離の上下界の解析を行い国際会議ANALCOにて発表した.改良した解析結果をまとめ,ジャーナルへの投稿を準備中である. 乱択アルゴリズムの設計に関して,組合せ計算の複雑さのベンチマーク的な問題である正方格子上の経路数え上げ(フカシギの数え方としてyoutubeの動画が知られる)に対するMCMC法を設計した.まだヒューリスティクスではあるものの200x200格子まで計算して,nxn格子の個数の10進桁数が約0.2415*(n**2)である実験結果を得た.アルゴリズムの精度保証について,モンテカルロ法部分については十分精度の解析を与えており,マルコフ連鎖のmixing timeの理論解析に現在取り組んでいる. 新たな展開としては,3次元空間中の自律分散ロボットの対称性解消に対する決定性のアルゴリズムを設計し,同期モデルでの平面形成問題に対する可解性の必要十分条件を得た.この成果は国際会議DISCにて発表した.本プロジェクトの構想時には,対称性解消に対する乱数の役割は本質的に不可欠と漠然と予想していたが,この予想を覆す成果である.アルゴリズムのアイデアは比較的素朴であり,この成果に基づく応用発展は今後の課題である. この他,現実問題に起因する安定結婚問題における最適選好マッチングについて,解構造と戦略的操作性に関する成果を得て,安定マッチングに関する国際会議MATCH-UPで成果を発表した.グラフや順序構造に関する問題などにも取り組み成果を得ている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り,確率的アルゴリズムにおける乱数の機能と効果の究明に向け,順調に研究を遂行できている.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度までの成果を受け,継続して研究を発展させる.上述のとおり,ランダムウォーク脱乱択化は順調に成果を得てきており,継続して研究を進めつつ新たな展開も図る.また,3次元対称性解消の決定性アルゴリズムに関する新たな展開について,原理の解明と新たな応用への展開に向けた研究を継続する. 乱択アルゴリズムの設計に関しては,特に順序構造を中心とする離散構造に着目した実用・理論の研究を進めており,これを継続する.並行して成果の国際会議発表や雑誌論文投稿を進める.
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Causes of Carryover |
得られた結果の内容を精査し,成果発表を次年度に行うため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国際会議等の研究成果の発表に使用する.
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Research Products
(21 results)
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[Presentation] On the reconstruction of Laman graphs2015
Author(s)
Kenichi Tamatani, Yukiko Yamauchi, Shuji Kijima, Masafumi Yamashita
Organizer
The 9th Hungarian-Japanese Symposium on Discrete Mathematics and Its Applications
Place of Presentation
九州大学西新プラザ(福岡県・福岡市)
Year and Date
2015-06-02 – 2015-06-05
Int'l Joint Research
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